シマ自慢ホートマタとナンゴンの滝つぼ

集落の人すら知らない、忘れ去られていた朝戸の二つの滝

朝戸集落は水に恵まれた場所で、奄美市の人々の生活に欠かせない水源である「大川」が流れている。川の源である山中には、集落の人ですら知らない滝が数多く存在し、ホートマタの滝やナンゴンの滝もそうした人の目にふれることの少ない、美しい滝の一つである。
「ホートマタ」はシマの言葉で、「フトモモの谷」という意味。独特の花や実をつけるフトモモ(ホート)の木が多く自生する谷(マタ)にあることに由来する。(ナンゴンの滝の名の由来は不明)

ナンゴンの滝

滝は子供たちにとっては遊びの場所であり、大人にとっては食糧や仕事に関わる大切な場所であった。かつてホートマタの滝の近くには赤土でドーム状にした炭焼き窯があり、切り出した木を滝の水流を利用して窯まで運び、炭を作っていた。炭は名瀬街に売りに行く、大事な商品だった。
また滝の周辺にはタナガと呼ばれる手長エビやアケビ、たけのこ、キノコなど季節ごとの自然の恵みにあふれ、水は飲めるほどに透き通っている。木陰と水のせせらぎは癒しと涼しさを与え、滝はいまも昔も集落の豊かさと安らぎの象徴といえる。

水が豊富で多様な生態系が息づく朝戸の山では、最近でも新種の「アサトカンアオイ」が発見されるなど、まだ誰も見たことのない滝や植物が眠っているかもしれない。
自然の奥深さこそが朝戸集落の魅力であり、ブランド認定されたホートマタとナンゴンの2つの滝はまさにそれを表すものだ。2つの滝以外に立ち寄りやすい滝もあるので、興味があればぜひ集落を訪れ、その豊かさを体感してほしい。

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ASATO-朝戸集落-

地元呼称:アサト 世帯数:41 人口:89

名瀬、住用、小湊への中継場所となる比較的新しい集落。水に恵まれた場所で、名瀬の水源である大川ダムがあり、集落の人も知らない滝が数多く存在する。

時期

一年中

POINT

行くまでの道は秘密。朝戸集落の方によるツアーも開催予定。問い合わせは奄美市役所まで

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