芦花部一番の碑
キモギョラサの心を持つ女性のシマ唄
「芦花部一番」は、奄美のシマ唄のなかでも高尚な唄として親しまれている唄だ。唄の主人公は約270年前に実在したといわれる美女「ウントノチ・バア加那」。
その噂は遠く加計呂麻島の実久集落まで伝わり、舟こぎ競争の途中に芦花部に立ち寄り、バア加那のもてなしを受けて一番で到着したという逸話が歌詞になっている。
白川の湧き水。白川の水で顔を洗うと綺麗になると言われている
バア加那の心づくしのもてなしは人々の心に残り、見た目の美しさだけではなくキモギョラサ(心の優しく清らかなこと)の人として、語り継いだという。「芦花部一番の碑」は集落民が昭和48年に設立。唄と唄にまつわる逸話と共に、今でも大切にされている。
芦花部老人クラブのみなさん
【芦花部一番の唄】
あしきぶいちばんや
ウントノチノバアカナ
コバヤいちばんや
さねくコバヤ
ウントノチバアカナや
しろご水ごころ
さりくちゅぬかずに
しのばれて
【訳】
芦花部で一番の美人は
上殿地のバア加那
小早船で一番速いのは
実久(加計呂麻島の集落)の小早船
上殿地のバア加那は
白川の水のような清い心をもち、
往来する人々に偲ばれる
ASHIKEBU-芦花部集落-
地元呼称:アシキブ、アッキュウ 世帯数:69 人口:98
奄美市名瀬の最北に位置するシマ。集落内に芦花部教会と南洲神社があり「2つの神が宿るシマ」とも言われている。早口で喋る人が多く何を言っているかわからないことから、芦花部の方言は「芦花部英語」とも言われている。