佐仁八月踊り
県の無形民俗文化財。
難しくも楽しい八月踊りと豪華な料理!
- 手はパシッと叩くのではなく、優しく叩くんど〜!
- 手首を柔らかく滑らかに動かすよ
八月踊りの起源は「五穀豊穣の祈願」と言われることが多いが、佐仁集落では、「火災予防」として始まったと伝わっている。そのため、八月踊りを踊らない家は火事になると言われ、家人が踊らなくても集落の人間がその家の庭に入り太鼓だけは叩いて回ったと伝わる。
八月踊りは、踊りが進むにつれ唄と踊りのテンポが速くなり、盛り上がる。これを「あらしゃげ」と言うが、佐仁の八月踊りの特徴は、何といってもこの「あらしゃげ」がこれ以上踊れないというほど速くなるところだ。 また、佐仁の八月踊りは、唄も踊りも音も非常に柔らかい。 太鼓や手を叩くときに、「かみそりの刃で叩く」ようにそっと叩きなさい、と受け継がれている。非常に柔らかい音で、合わせて踊る手の動きもきわめて繊細だ。
八月踊りの楽しみの一つに、踊ったあとにいただくご馳走がある。 佐仁では特に料理が豪華で、すべてが手作りの郷土料理。佐仁独特の「ナベオテレ」(油うどんの一種)、「さたてんぷら」(上餅粉と黒砂糖のお菓子)、「も」(海藻のホンダワラの含め煮)などの料理や、その日に海で獲ってきた魚やタコ、手作りのミキなど、到底食べきれないほどたくさんの料理がずらりと並ぶ。
佐仁集落には八月踊りが大好きな人が多く、皆の心のよりどころともなっている。 この八月踊りをいつまでも残しておきたいというのが集落の願いだ。
そのため、八月踊りの勉強会をしたり、小学校へ出向いて教えたりと、伝承活動が盛んに行われている。
SANI-佐仁集落-
地元呼称:ショー、 サン 世帯数:169 人口:266
奄美大島の最北部、夕日が美しい東シナ海側の海岸に面する集落。珊瑚礁による天然の浅瀬に恵まれている。他の集落とも離れているため、佐仁集落独特の言葉や踊り、料理などがある。
時期
旧暦8月のアラセツ(最初の丙の日)とシバサシ(アラセツ終了後の壬の日)の各2日間の夕方から
POINT
集落の各家を踊って回る。集落以外の方も踊りに加わることができる