シマ自慢宇宿稲すり踊り

奄美市指定無形民俗文化財

シマの「結い(ゆい)の仕事」稲作の様子を表現した踊り

  • 女性役は、サンバラという大きめのザルで籾と籾殻を揺すって分けたりする動作をするよ
  • タスキを十字に交差させて稲すりを表現したり
  • 男性役は『キネ』を持って臼の中の米をついたりする動作をするよ
稲すりとは「稲を摺る(脱穀する)」という意味で、稲作文化だったかつての奄美の暮らしを彷彿とさせる伝統的な踊りである。明治時代が起源とされ、奄美大島南部でも見ることができるが、北部では稲作が盛んだった宇宿集落で特に伝統文化として保存継承されている。
大変な作業である稲作は、近所同士で助け合い、全員で1箇所ずつ田植えを進めるという共同作業で行われていた。人々が「結束」して行うため「結い(ゆい)仕事」と呼ばれ、現代においても様々な面で協力し合う「結い」の体制はこうした作業を通じて集落に受け継がれている。

そんな結い仕事の様子や豊作の喜びを表現したのが「宇宿稲すり踊り」だ。 女性陣による踊りが主体で、男女の唄者、男性陣による三味線・チヂン(太鼓)・ハト笛の伴奏担当が脇を固める。
「稲と籾殻を分け、白米にするまで」の動作を表現しており、タスキやキネ、ザルなどの小道具を用い、明るく軽快に歌い踊るのが特徴的。また、踊り手が男役・女役に分かれて踊るさまは、かつて近所同士で1つの田んぼを協力して作業を行っていた様子を再現しているという。

昔はモンペに割烹着というのが通常のスタイル。時代に合わせて、色あざやかな衣装やサンバラに[祝]の字をつけるなど華やかになった

伝承の主体は、昭和40年頃に発足した「宇宿民芸保存会」が担っている。集落内にある宇宿小学校の子どもたちへの伝承活動が継続的に行われており、唄や踊りを受け継いだ子どもたちは運動会や奄美市民音楽祭などで稲すり踊りを披露。未来の後継者育成の道筋がしっかりと形作られている。

area_KASARI

USHUKU-宇宿集落-

地元呼称:ウシュク 世帯数:122 人口:250

観光名所が多く、宇宿貝塚史跡や泉家住宅など集落内に2箇所もの国指定文化財がある。もともとは稲作が盛んだったため、今でも自家用の高倉を持っている家庭が10軒ほど実在する。

時期

宇宿小学校運動会や敬老会(9~10月ごろ)

POINT

運動会は宇宿小、敬老会は宇宿公民館にて開催。詳しくはお問い合わせください

pagetop