奄美一のガジュマル並木
連なる姿は圧巻もの!聖木ガジュマルに癒されにいこう
前肥田集落を奥に進むと見えてくる、「奄美一のガジュマル並木」。その名の通り、大きなガジュマルが連なる姿は奄美でも珍しく見応えがある。“ケンムン”という精霊が宿ると言われ、「聖木」とされている木。ガジュマルを見上げると降り注ぐ木漏れ日がなんとも美しく、神々しい空気に全身が包まれるようだ。
前肥田ビーチ。砂浜を足でグリグリすると磯ハマグリがでてくるらしい
もともとは100年ほど前に畑や家畜への被害を避ける防風林・防潮林として植林されたものだという。
「幼い頃は木づたいに、どこまで行けるか競争して遊んでいたよ」と懐かしそうにガジュマルを見上げる区長の野田睦義さん。
思い出話を聞きながらガジュマルを観察していると、
「あっけ〜。キクラゲが生えているね。どれ、取ってやるが。キクラゲはね、ガジュマルのが一番うまいんど」と、ガジュマルから生えていた黒いキクラゲを取ってくれた。
家に帰り、おそるおそる湯通ししてみると、つやつやコリコリとした食感でほんのり甘く、確かにおいしい。ガジュマルは「聖木」であると同時に、シマのなかにあっては人々の生活に寄り添う、ごく身近で大切な木だったのだ。
デザインが可愛い前肥田港の導灯。入港する船舶の航路を明示するためのもの
ガジュマル並木を堪能したあとは、その少し先にある前肥田ビーチへ足を伸ばしてほしい。白砂とどこまでも青く透明な美しさに、前肥田集落が大切にしてきたものをきっと知るはずだ。
MAEHIDA-前肥田集落-
地元呼称:メェヒジャ 世帯数:29 人口:47
笠利湾に面した集落。集落の入口にはセメント工場や航空機の燃料工場などがあり、近代的な雰囲気。奥へ進むと、ガジュマルや白砂の綺麗なビーチが広がる。