役勝エコロード
亜熱帯奄美の原生林とリュウキュウアユの棲む清流
奄美大島の豊かな自然のなかで深呼吸したい。ゆっくりと植物を観察しながら歩きたい。そう思ったらここに向かってはどうだろうか。奄美市住用町上役勝集落を抜け、宇検村へと向かう途中の森のなかにある「役勝エコロード」。
以前は県道だったが、新たなトンネル・道路整備に伴い旧道化し、豊かな自然環境に触れ合う場として「エコロード」と命名された。道のすぐ脇を流れるのは、絶滅危惧ⅠA類であるリュウキュウアユの住む清流、役勝川。
世界で奄美大島にだけ残る天然のリュウキュウアユ(絶滅危惧種)
周囲は国有原生林で、季節ごとにさまざまな植物が葉を揺らし花を咲かせ、実を結ぶ。
役勝エコロードの近くにある上役勝集落は、こうした豊かな山と川の幸に恵まれ、林業を中心とした自給自足の生活を営んできた。
「勉強はそこそこ、いつも山や川に入って遊んでたんだよ」と語るのは、シマッチュの川内勇義さん。
役勝エコロード。すぐ下をメイン写真のような川が流れている
川では山太郎ガニ(モクズガニ)やリュウキュウアユを捕ったり(現在は禁止)、リュウキュウイノシシ、アマミノクロウサギと出会ったり、野いちご、あけび、ポンカンなど山の恵みを味わったり…
話に登場する自然界の動植物たちは枚挙にいとまがなく、集落の暮らしが周囲の自然ととても近い距離にあったことがわかる。そんな暮らしにも思いを馳せながら、エコロードを歩いてみるのも楽しそうだ。
UEYAKUGACHI-上役勝集落-
地元呼称:ウエヤンガチ 世帯数:44 人口:73
奄美市住用町にある長い集落。上役勝、中役勝、下役勝エリアにわかれる。林業が盛んな時期に、移住者によって形成された。山と川の幸に恵まれ、自給自足を実現していた。
時期
POINT
役勝エコロード沿いに昇降階段が2箇所ある。そこから川へ降りよう