1万本のキャンドルとシマ唄に包まれる夜。「キャンドルナイト2026」を訪れて
島遊
2026/08/23
SATO

シトシトと雨が降る、夏の夜。
普段なら家でゆっくり過ごしたくなるような天気でしたが、この日は少し特別。
向かったのは、大和村にある「奄美温泉 大和 ハナハナビーチリゾート」。
2026年8月14日・15日の2日間限定で開催された「キャンドルナイト2026夏」の会場です。
約10,000本のキャンドルが、全長約300mのビーチを彩ります。
さらに、奄美大島出身のシンガー・城南海さんと、シマ唄の唄者・平田まりなさんによるステージ、地元の保存会による八月踊り、屋台や縁日なども行われるということで、ワクワクしながら会場を訪れました。
雨の中、始まったシマ唄のステージ

会場に着くと、雨にもかかわらず、たくさんの人が集まっていました。
色とりどりの傘がビーチに広がっています。
雨は次第に強くなり、「この天気で大丈夫かな」と少し心配になりました。
ところが、ステージが始まると、その心配はいつの間にか消えていました。
まず登場したのは、唄者の平田まりなさん。
海を背にして歌い始めると、会場にシマ唄が響きます。
そしてステージには、高校生の唄者、麓世羽璃(ふもとようり)さん、津畑杏朱(つばたあんじゅ)さんも登場。
平田まりなさんと一緒に歌声を響かせました。

聞こえてくるのは、歌声だけではありません。
ステージの向こうから聞こえる波の音。
そして、傘を打つ雨の音。
雨音と波音、その中に重なるシマ唄。
それぞれの音が重なって、この場所でしか聞けないひとつの景色をつくっているようでした。
屋内のステージなら、きっと聞こえなかった雨の音や波の音。
この日は、それさえも歌と一緒に耳に入ってきます。
気がつけば、雨が降っていることも忘れて、歌声に聴き入っていました。

海辺に響く歌声
次に登場したのは大和村の観光大使でもある城南海さん。
ステージの向こうには海。
波打つ海を背景に、歌声が雨の向こうへすっと伸びていくように聞こえます。
海の音、雨の音、歌声。
そこに、ステージを照らす灯りや、海辺で揺れる松明の明かりも加わっていきます。
雨に濡れた景色の中で、いくつもの音と光が重なっていく。
まるで映画のワンシーンの中にいるような、不思議な感覚でした。
「雨で残念」どころか、この雨だったからこそ生まれた景色なのかもしれません。

世代の異なる唄者たちの歌声が、雨の降る海辺で響き渡る。
その光景がとても印象に残りました。
奄美で歌い継がれてきたシマ唄が、こうして世代を越えてつながっていく。
それを目の前で感じられたことも、この日の大きな魅力でした。
少しずつ暗くなり、ビーチの景色が変わっていく
そして、ライブが終わるころ――
ビーチには、オレンジ色の小さな灯りが一面に広がっていました。

ゆらゆらと揺れる、たくさんのキャンドル。
昼間には普通のビーチだった場所が、夜にはまったく違った表情に。
「CANDLE NIGHT」の文字をかたどったモニュメントも登場し、写真を撮りたくなるス
ポットになっていました。
10,000本という数字を聞くと、かなり大きな規模を想像しますが、実際にその場に立ってみると、一本一本の小さな灯りが集まって景色をつくっていることが印象に残ります。

屋台や縁日も。子どもから大人まで楽しめる夜
会場には屋台や縁日も並び、ライブを聴くだけではなく、食事やゲームを楽しむ人の姿も。
家族で訪れても、それぞれの楽しみ方ができるイベントです。


最後は、みんなで八月踊り
イベントの締めくくりは、奄美の伝統芸能「八月踊り」。
八月踊りは、集落の人々が輪になり、太鼓や唄に合わせて踊る奄美の伝統的な踊りです。
この日は地元の保存会の皆さんが踊りを披露。
そして、会場にいる人たちも一緒になって輪に加わります。
最初は少し遠巻きに見ていた人も、気づけば輪の中へ。
音楽を聴いて終わるイベントではなく、最後はみんなで踊って終わる。
そんなところにも、奄美らしさを感じました。

雨の日だからこそ出会えた、特別な景色
今回のキャンドルナイトは、あいにくの雨でした。
でも、雨音と波音、シマ唄、そしてキャンドルの灯りが重なった夜は、晴れた日とはまた違う美しさがありました。
「雨で残念」ではなく、「雨の日に来たからこそ、この景色に出会えた」。
そんなふうに思える時間でした。
奄美は雨の多い島。旅の途中で、予定していたことができなくなることもあるかもしれません。
でも、そんなときこそ、その日の天気だからこそ楽しめることを探してみる。
晴れの日には見られなかった景色や、思いがけない出会いが待っているかもしれません。
雨の日の過ごし方をいくつか知っておくだけでも、奄美の旅はもう少し自由になります。
今回の舞台となったハナハナビーチリゾートも、そんな旅の選択肢のひとつ。
天然温泉でゆっくり過ごしたり、プールで遊んだり、レストランで奄美の味を楽しんだり。クラフト体験や宿泊など、その日の天気や気分に合わせて過ごし方を選ぶことができます。
海で思い切り遊ぶ日もあれば、雨音を聞きながら温泉でゆっくりする日もある。
予定どおりにいかない日も含めて、そのとき、その場所でしか出会えない時間を楽しむ。
そんな旅も、奄美らしい過ごし方なのかもしれません。

この記事を書いたフォトライター
SATO
奄美市名瀬出身。高校卒業後関西へ上京し、2024年に奄美大島にUターン。海とお酒と奄美をこよなく愛する人間です!私の大好きな奄美の魅力をたくさんお伝えしていきます!