奄美大島で体験民泊!島愛と人愛が溢れ出す「ルパン爺とすずめの宿」
島宿
2018/06/19
間瀬 るみえ(TLWorks)
奄美大島の住用町には、体験民泊が出来る宿がいくつかあります。
今回は、そのうちの一つ「ルパン爺とすずめの宿」へ体験民泊をしてきました。
名瀬の中心街から車で約15分のところにある内海バンガロー。
こちらに【すみようヤムラランド事務局】があり、チェックイン。(料金はここで支払います)
島バスを利用すると、【見里(みざと)入口】がバス停になります。
今回体験させて頂く「ルパン爺とすずめの宿」は住用町の見里集落にあります。
奄美市住用町は、周りが空・山・海!と本当に大自然が広がっています。
大通りから一本入った道を歩くと、民家を発見!!!!
ニコニコ笑顔で出迎えてくれたのは、
宿主のご主人、師玉当洋(しだまとうよう)さん(62歳)と奥様の師玉さよみさん(59歳)。
愛犬のチョコラ(通称:チョコ)
畳の間におじゃまして、奄美のお茶菓子と温かいお茶を頂きました。
奄美の特産物、よもぎの葉をしっかり練り込んだ「かしゃ餅」。
さよみさん手作りの、さつまいもを蒸して潰し、少し塩を入れてもち米の粉と混ぜて揚げ、きな粉をふった「揚げ餅」。
とっても美味しく、ペロリと頂きました。
ご主人の当用さんが一言。
「実家に帰ってきたような感じでゆっくりしていってよ。僕達のことはお父さんとお母さんって呼んでいいからね!」
その一言で緊張が緩みました。愛犬チョコも人なつっこく、膝の上でリラックスしてくれました。
【宿泊されるお客様のスケジュール】
チェックイン
↓
お茶を飲みながら自己紹介と団欒
↓
一緒に夕ご飯作りと食事
↓
奄美体験(希望があれば)
↓
お風呂
↓
晩酌(お酒が好きであれば)
↓ ※お食事や晩酌の時間に翌日の予定を聞いて、奄美で何がしたいのか、どんなことに興味があるのか、
それによって予定を立てます。
就寝
大まかなスケジュールはありますが、全てお客様の意見を第一に取り入れた上で決まるそうです。
黒ウサギ、モダマの木、夜空の星、ホタル、大島紬の着付け、綺麗な海に行きたいなど、
どんな要望も極力希望にそってあげたいというのが師玉夫婦のモットーだといいます。
ちょっと変わった宿名「ルパン爺とすずめの宿」の由来
そう!気になりますよね!
ルパン爺?すずめの宿?ということは、お父さんがルパン爺で、お母さんがすずめ?
そうなんです。間違ってはいません!
「昔からあの大泥棒ルパン三世が好き。この体験民泊で、ルパン三世のように人の心を泥棒してやりたい!
だけどルパン三世ほど若くないので、『ルパン爺』になった。
でも自分の名前だけでは奥様に悪いと思った。
さよみさんは昔からお料理上手なので、美味しい料理にたくさんの人(すずめ)が寄ってくるような宿にしたいと思って『すずめ』。」
というお父さんとお母さんの気持ちが、宿名にもしっかり込められていました。
「奄美大島、住用町の活性化」民泊を始めたきっかけ
昔は住用町にも旅行者が宿泊出来る旅館のような施設はあったようですが、現在はもう全てなくなってしまい街もひっそりと静まり返っていた。そんな時にちょうど民泊の話をもらったそうです。
子供達が巣立って夫婦二人でしか住んでいない家だし、住用町の活性化に繋がればという気持ちもあって民泊を始めたと話して下さいました。
あとはなんといっても、奥様さよみさんの勉強熱心でお料理上手なところが功を奏したようですね。
2017年5月から手探りで始めた民泊なので、毎回お客様から勉強させられることも多いとか。
奄美大島に旅行に来たお客様の希望を叶えてあげたい、本当に出来る限りのことはなんでもしてあげたい!という気持ちが一番強く、自分自身が楽しんでいるので、今まで一度もしんどいなんて思ったことはないそうです。
島愛と人愛が溢れ出すエネルギッシュなルパン爺とのトーク
人が大好きなお父さんは元消防士で、昔からよく仕事仲間や見知らぬ人を家に連れて来ていたそうです。
そのお陰で知らない人が家に来ることに対しては全く抵抗がないというお母さん。
現在、お母さんは現役で美容師をしながら、宿泊客との時間を過ごしています。
掃除や洗濯、洗い物などはお父さんが行ない、お料理はお母さんが試行錯誤しながらメニューを考え、調理しています。
夫婦が仲良くないと出来ないし、お金稼ぎというよりは夫婦の第二の人生と思って心から楽しんでいる、ととびきりの笑顔で話すお父さん。
その一言一言から、師玉夫婦がこの民泊を通して感じている「人と出会う楽しさ」「人への愛」が伝わってきました。
奄美の食材を。一品のこだわり、夕食づくりでの奥様のおもてなし
そろそろ夕ご飯にしましょうか、の一言で我に返ると、いつの間にかもうこんな時間!
お話に夢中になりすぎていました。
食卓に行くとすごくいい匂い!バンダナとエプロンを装着し、いざお手伝い。
私は天ぷら担当でした。
「トビンニャとあおさの天ぷら」と「もずくとさくらえびの天ぷら」を揚げました!
あおさの緑とさくらえびのピンクがまた可愛くって、思わずニッコリ!
〜夕食の献立〜
トビンニャ(マガキガイ)とあおさの天ぷら
もずくとさくらえびの天ぷら
たけのこのキムチ
田芋(ターマン)の甘辛炒め
コーシャマン(山芋)とハンダマ
たけのこキムチ
豚足の素揚げ
ジーマミー豆腐
お母さんオリジナル鶏飯(鶏ガラから煮込み約3時間)
田んぼで育つ田芋、奄美の方言でターマン。今では珍しく、スーパーでは売ってないそうです。
コーシャマンは紫色で山芋のようなお野菜。ハンダマも紫色の葉野菜。
たけのこキムチは昔からある島料理、豚足は家庭料理、ジーマミー豆腐はこれぞ南の島という感じです。
奄美郷土料理の鶏飯は、じっくりことこと煮込んで約3時間、お鍋の蓋を開けると黄金色のスープに思わず拍手してしまいました。
普段はなかなか食べられない【奄美の食材】にこだわり作ってもらったお食事は、何から食べようかと悩むくらい品数も多く、大大大満足の幸せな時間でした!
晩酌ではルパン爺節炸裂!人生は何が起こるかわからん!年齢は関係ない!
お食事後はゆっくりとバスタイム。
バスタイムの後は、私がせえごれ(奄美の方言で酒飲み)ということで、晩酌をしながらたくさんお話を聞かせてもらいました。
飲んだのはもちろん奄美黒糖焼酎、「れんと」・「里の曙」・「じょうご」。
「結婚38年目、まさか夫婦で民泊をするなんて思ってもみなかった。今も昔も奥さんのお陰で自由に生きているよ。人生を楽しんで一緒に遊びながら今の民泊をしている。お客様には申し訳ないかもしれないが、出会った方はみんな友達、兄妹と思っている。年齢なんて関係ないよ。」
いつまでも若々しくいられる理由がここにあるのかもしれないと思った瞬間でした。
私も血筋が奄美の徳之島なのでせえごれですが、お父さんも、めちゃくちゃせえごれです。
よく飲みよく喋る!そして、面白い!
「知識も必要だけど、知識だけでなく“知恵”を働かせる人間が上手な生き方をすると思っている。
学歴とかじゃなく、どう工夫して生きるか。そして僕はなによりも、いつでもどんなときでも横に奥さんがいてくれるのが最高よ!」
せえごれになったお父さんは、惚気けながらも、とっても心に残る話をしてくれました。
ルパン爺節が炸裂の晩酌。気づけば夜中の1時をまわっていました。
師玉夫婦といると、なんともいえない空間で時間を忘れてしまうほっこりした気分になりました。
豪華な朝食!奄美での素敵な1日の始まり
今回のお部屋は「忍の間」。
シングルソファーベッドが2つ、冷暖房やテレビ、Wi-fiもありとても便利です。
丁寧なベッドメイキング、起きる時間に寝坊してしまうくらいお布団がふかふかで快眠出来ました。
そして、朝からご飯がある幸せ。
眠気もぶっ飛ぶおかずの数!炊きたての白飯との相性は抜群!
〜朝食の献立〜
たけのこの漬物・パパイヤの漬物・梅干し
ぶたみそ
ほうれん草の胡麻和え
野菜サラダ
もずく酢
温泉たまご
鮭・つきあげ
里芋とチンゲンサイのお味噌汁
すももジャムとカスピ海ヨーグルト
島バナナキウイ
残さずきれいに頂きました!ごちそうさまでした!!!
奄美大島の特産品「大島紬着付け体験」龍郷柄が人気!?
朝食後には、奄美の特産品「大島紬」の龍郷柄の着付け体験をしました。
若い子や外人さんには、大ぶりで色が目立つ龍郷柄が人気だそうです。
大島紬は、浴衣や着物と違い、思っていたよりとても軽くて動きやすかったです。
師玉夫妻とチョコと一緒に、記念にパシャリ。
本当にまた帰ってきたくなるような、もっと居たいなぁと思える時間を過ごさせてもらいました。
お父さんは最後に、
「いつもお客様が帰るときは、涙が出るくらい寂しくなってしまう。私たちはいつでもお帰りなさいー!と待ってるよ。」
と一言。
奄美大島の暮らしと文化、島人と触れ合うことでまた違った奄美を体験出来た貴重な1日。
師玉夫婦の島への愛、人への愛をたくさん注入されました。
絶対また遊びに来ます!帰ってきます!と思わせてくれる素敵な島タイム。
皆さんも是非、奄美大島の「ルパン爺とすずめの宿」に心を奪われてみませんか?
この記事を書いたフォトライター

間瀬 るみえ(TLWorks)
フリーライター/ダンス講師 大阪市出身 バリバリの関西人でシティガール。2017年8月、