島人オーナー「健おじ」が営む、また帰りたくなるゲストハウス「奄美ロングビーチII」
島宿
2023/03/30
有村 奈津美
2017年~2022年の5年間、笠利町の用(よう)にあり多くの人に愛されていたゲストハウス「奄美ロングビーチ」。2023年2月に奄美市名瀬の小宿(こしゅく)に場所を変え、「奄美ロングビーチⅡ」として新しく生まれ変わりました。
島出身のオーナー「健おじ」こと久保健市(くぼ けんいち)さんが定年後に始めたというゲストハウスには、健おじに会いたくて訪れる人がたくさんいると聞き、今回はその魅力を取材してきました。
高台に立つ木の温もりを感じる宿
奄美空港から南へ車で約1時間、夕陽や満天の星空観測、海水浴で人気の大浜海浜公園(map)。そこに向かう途中の高台に奄美ロングビーチⅡはあります。
木造の建物にサンゴが埋め込まれた白い壁、周りにそびえ立つヤシの木は一気に南国の雰囲気を感じさせてくれます。
星を基調とした光が差し込む開放的な空間
ゲストハウスの入口をくぐると、天井が高く広々とした空間が広がっています。この共用スペースでは、ゲストがギターを弾いたり、みんなで食卓を囲んだり、仕事をしたり、交流の場になっています。
壁に切り抜かれた星型は満天の星で有名な大浜海浜公園をイメージして、オーナーがこだわって作ったポイント。夜になると、ここから星の形に光が漏れるのがとってもオシャレです。
共用スペースから一歩外に出ると、エメラルドグリーンの朝仁海岸を見渡すことができます。そよ風が気持ちよく、ハンモックでうたた寝したり、ゆっくり読書をしたりするのにもぴったりの場所です。
洗面所にも健おじのこだわりポイントが。女性用のお手洗いは月型、男性用のお手洗いは星型にくり抜かれています。自然光が差し込む洗面所は、ここで顔を洗うだけでいい1日が始められそうです。
旅人のニーズに合わせて使える3タイプのお部屋
若い女性の一人旅や男友達同士の旅行、カップルや子連れの家族、と色んなゲストにご利用いただいているという奄美ロングビーチⅡ。
それぞれのゲストに合わせた3タイプのお部屋がありました。
1番人気なのは、1〜3名様で利用できるツインルーム。ソファーベッドを利用すると3名宿泊することもできます。1泊1名様4,000円(3名宿泊時)〜
子連れの家族に人気なのは、1〜5名様で宿泊できる6畳の和室。段差がないので、小さいお子さんをお連れの方や高齢の方でも安心して利用できます。1泊1名様3,500円(4名宿泊時)~
ひとり旅や仲間同士の旅で利用する方におすすめなのがドミトリータイプ。男性専用、女性専用で部屋が分かれており、個別のロッカーやベッドに備え付けのカーテンもあるので、相部屋でも安心して泊まることができます。1泊1名様3,500円〜
全部屋が海側に位置しているので、テラスからは奄美の緑の山と青の海を見渡すことができるのは嬉しいポイントです。
また部屋には彦星である「アルタイル」や織姫である「ベガ」など、それぞれ星座の名前が付けられているのは、健おじのちょっとしたこだわりです。
基本的には素泊まりプランですが、予約サイトで「朝食付きプラン」を予約することができます。また、素泊まりプランで予約された方でも、前日の15時までに予約をすれば、550円で朝食をつけることもできます。健おじの奥さん、ひろえママの手作り朝食はシンプルながら手作りの温かさを感じられます。(取材した時も、焼き立てパンのいい香りが立ち込めていました!)
ロングステイにもぴったりの充実した設備
ダイビングやワーケーションで1週間〜1ヶ月宿泊されるお客様もいるという奄美ロングビーチⅡには、長期滞在に必要な設備がしっかり揃っています。
広々としたキッチンは、炊飯器や電子レンジ、オーブントースター、ガスコンロや冷蔵庫などが揃っており、宿泊者は誰でも利用可能。
スーパーで買ってきた食材をここで調理して、晩ごはんや朝ごはんにする方も多いのだそう。
キッチンには、健おじが仕入れたお酒やお客様が置いていったお酒などが並んでいる黒糖焼酎飲み比べコーナーがあり、なんと飲み放題は550円!
観光から帰ってきた方やひと仕事終えた方などが、夜はわいわい宴会を楽しんでいるそうです。
2階には、1時間100円で使える共用の洗濯機もあります。
洗濯機のすぐ横にある扉を開けると洗濯物干しスペースがあり、ここからも緑と青のコントラストを眺めることができます。
DIYが好きという健おじは、1階のベランダにも屋根付きの洗濯物干し場を増築中でした。梅雨入り前までに完成させたいとのことで、出来上がりが楽しみです。
また帰ってきたくなる奄美ロングビーチⅡの魅力
南国を感じられる外観に、星を基調とした開放的な内装。
それだけでも十分魅力的なゲストハウスですが、奄美ロングビーチⅡの魅力はやはりオーナーである「健おじ」の人柄にあります。
健おじがDIYしたという入口のスロープを見せながら、「コンクリート打設の時、たまたま通りがかった人が手伝ってくれたのよ」と案内してくれたり、「僕が黒糖焼酎好きなのを知って、みんなお土産に持ってきてくれるのよ」と嬉しそうに黒糖焼酎のコレクションを紹介してくれたり、終始にこやかに話しかけてくれる健おじ。
初めて会ったのに、全くそれを感じさせない親しみやすさがありました。
宿泊した方は必ず写真を撮り、名前と話した内容や特徴などを電話帳に登録している健おじ。予約の電話がかかってきた時に、すぐにどこの誰かを思い出せるといいます。
一度お客さんの誕生日にサプライズでお祝いを行ったところ、すごく気に入ってくれて、今では毎年誕生日の時期に必ず来てくれるようになった、というエピソードもありました。
リピートしてくれるお客さんはもちろん、1度泊まった方がその良さを口コミで広げ、その友人知人がリピーターになることも多いのだそうです。
私も取材中、居心地の良い空間で面白い健おじとひろえママのやり取りを聞いていると、ついつい長居をしてしまいました。
2回目訪れる時には、思わず「健おじ、ただいま〜!」と言ってしまいたくなるゲストハウス奄美ロングビーチⅡ。
ぜひ一度その居心地の良さを体験してみてくださいね。
健おじとひろえママがお待ちしていますよ〜!
この記事を書いたフォトライター
有村 奈津美
奄美生まれ奄美育ち。大学から上京し、IT企業で1年半勤務。自然と共生したい、という想いから、2020年7月に島にUターンし、島の魅力を再発見中。サーフィンと自然と旅が好き。島での日常はInstagram(https://www.instagram.com/natsumi_arimura/)で発信している。