シマ自慢モダマ

ジャンボさやえんどう?(食べられません)に出会う

鞘の長さは約1メートル、中には5センチほどの円盤状の黒い種、まるで巨大な「さやえんどう」。食べられないが、これはモダマというマメ科の植物。世界広しといえどもこれほど大きなマメを目にすることは多くはないだろう。奄美大島でも出会えるのは東仲間集落だけ。大きな種は木質で頑丈だ。
江戸時代の書物によると、モダマの種の3分の1を切り、中身をくり抜いて薬入れなどに利用したという。 近年も刻み煙草を入れるのに使った。

モダマ自生地と書かれた看板から先に進むと、マイナスイオンたっぷりの滝が出現する

鬱蒼とした亜熱帯のモダマの森。数十年前は、近所の製糖工場のお相伴にあずかろうと集まった子ども達の遊び場だった。
モダマの木に登り、ハブに注意しながら遊んだ。木の上まで黒砂糖の甘く香ばしい匂いが漂ってきたら、木から飛び降りて工場へ駆けていったと東仲間集落の区長・永さんは話す。
今も季節折々の山菜やキノコが採れる恵の森。モダマは梅雨時にひっそりと花を咲かせ、真夏に巨大な実をつける。東仲間の人々はその様子を昔から大切に見守ってきた。

黒褐色のツヤツヤとしたモダマの種は自然のものとは思えない質感。ハートのような形が愛らしい

台風が来ると人々はモダマを案ずるが、折れた木からはひげ根が伸び、再び根を張り復活する。巨大な実をつけるだけではない。生命力あふれるマメの木なのだ。 モダマ自生地へは国道58号線から車で約3分。

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HIGASHINAKAMA-東仲間集落-

地元呼称:ナハマ 世帯数:22 人口:35

集落各所に「イジュンゴ(泉)」が湧き、緑豊かな東仲間。静かな民家の庭先に、アマミノクロウサギがやって来ることも。自然観察ナイトツアーの出発地としても賑わっている。

時期

【花】5月下旬〜6月上旬、【実】7月~8月

POINT

雨の日やその後はぬかるんでいる&ハブに気をつけて探索しよう。ゴミは持ち帰ってね

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