夕陽に染められ、悠然とした大自然を感じられる場所。タエン浜
島景
2016/04/22
福永千景
初夏に移り行く頃、奄美市住用町側から宇検村へ向かう道沿いは、イジュやコンロンカの花が白く咲き誇ります。
湯湾集落に入ると村唯一の信号があり、その信号を左折し、右手にやけうち湾を見ながら車で30分ほどドライブ。
上り坂が終わり、左の緩いカーブを下り始めたその瞬間、目の前にエメラルドグリーンの海と眩しい白砂が現れます。
それがタエン浜。
7月の海開きの日から9月までは、監視員も常駐している海水浴場です。
遠浅で防波堤もあり、波も安定して穏やか。シャワー、トイレ、バーベキュー設備なども完備している宇検村の人気観光スポット。
シーズン中の砂浜や波うち際は、幼いこども連れの家族が楽しんでいる姿も多く見られます。防波堤では、一年を通して釣り人の姿も見られます。
それでも村の中心部からは離れているせいか、その美しさと設備の充実度に比例せず、穴場的なスポット。気になるほどの人込みでもなく、ゆったりとそれぞれの時と海遊びを満喫できそうです。
スキューバダイビングやシュノーケリングはもちろん、ゴーグルだけでも十分楽しめます。
それほど沖合に行かずともサンゴ礁があり、海の中をのぞき込むと南国ならではの鮮やかな色をした熱帯魚の世界がそこにあります。
浅瀬に立っていると稀に小さな魚が足の間をすり抜けていく、なんて驚きの体験をすることも。
日差しや遊びに疲れたら、屋根のついた東屋またはシャワー設備のある管理棟のベンチで休憩。
バーベキュー設備(要予約)もありますので、材料を持ち込んで仲間や家族と海辺での食事を楽しむのも夏ならではの遊びですね。
目の前には、無人島の枝手久島があります。
海でたっぷりと遊んだ心地よい疲れの残る身体に潮風を受けて、待ちましょう。やがて海の彼方へ沈みゆく夕陽に空間が染められていくでしょう。
奄美大島のなかでも随一の美しい白砂とエメラルドグリーンの海が、夕陽色に染まっていく瞬間は、ほかでは味わえない特別なひととき。
ただただ波音だけのする静かな場所で、悠然とした大自然を感じてみませんか。
この記事を書いたフォトライター
福永千景
セラピスト/エッセイスト。奄美大島出身。奄美の地元紙、南海日々新聞にて2013年から紬随筆を執筆中。島内外の人と人を繋げるイベント等を企画・運営している。奄美黒糖焼酎語り部として、エフエムうけんにて黒糖焼酎を宣伝するための番組を企画、パーソナリティーを務める(2015.3まで)