加計呂麻島の旅は、フェリーに合わせてゆっくり、のんびり。頼れる島民の足、「加計呂麻バス」

島コト

2018/03/26

ペン

三谷晶子

奄美大島南部の瀬戸内町古仁屋港より船で約20分の加計呂麻島(かけろまじま)。加計呂麻島内を巡る足としては、レンタカー店がふたつと、レンタルの電動自転車がありますが、もうひとつ、加計呂麻島民の貴重な足として知られる、「加計呂麻バス」があります。

加計呂麻バス瀬相港

奄美大島からの定期船「フェリーかけろま」の出入港は、島の中部にある瀬相(せそう)港と東側にある生間(いけんま)港の二つ。

バスの運行時間は、この定期船の発着時間に合わせており、運航ルートも2つの港が中心となっています。
2つの港を結ぶ運航では、フェリーの発着に合わせる時間調整のため、2つの港の間にある集落、押角(おしかく)集落と秋徳(あきとく)集落で約1時間ほどの休憩が入ります。

※位置関係は「加計呂麻島ガイドマップ」でご確認ください。

加計呂麻バス向かうところ

つまり、急いでどこかに向かうことはなかなかできないバスなのです。

加計呂麻バス押角桟橋
けれど、加計呂麻島はそんなゆったりした旅がぴったりの場所でもあります。

 

この日も瀬相港から加計呂麻バスに乗り込んだ取材陣。

バスの中にお客さんは三人。近くの集落でひとり、住民のお年寄りが下車し、生間港に向かうのは取材陣と観光で訪れたお二人だけになりました。

観光で訪れたお二人は昨日、加計呂麻島に宿泊。ゆっくり島を見たくて、加計呂麻バスに乗り、生間港に向かうことにしたそうです。

加計呂麻バス車内

バス車内では、運転手さんが加計呂麻島のあちこちについてお話しをしてくれます。

押角集落案内図

そして、押角集落での休憩の時間。

加計呂麻バス集落案内中

取材日は天気がよく、運転手さんが海や集落内を案内してくれました。

加計呂麻バス海辺の案内

ちいさなヤドカリを見つけて教えてくれたり。

加計呂麻バス案内中

集落内の緋寒桜が咲く山を案内してくれたり。

加計呂麻バス桟橋

眺めのいい桟橋まで連れて行ってくれたり。

加計呂麻バス案内中

加計呂麻島ならではの“何もないからこそ流れるゆっくりした時間”を楽しんで、またバスに乗り込みます。

加計呂麻バス荷物

途中の集落では、荷物を運んでくる方も。荷物を預けるのは1回100円。島民がほかの集落の方に何かを届ける際に活用されています。

10人程度しか乗れないマイクロバスがメインなので、大人数で訪れる場合は貸切バスをチャーターすることも可能です。

加計呂麻バス新聞BOX

朝にはバスに乗せて新聞配達も。バスのルートに合わせて、新聞受けがあり、届いた頃に島民が取りにいくシステムです。

加計呂麻バス海辺

島民の足として重宝される加計呂麻バスでの旅は、ゆっくりした”加計呂麻時間”を過ごすのにもぴったり。

運転担当の松浦史郎さん

今回の運転を担当してくれた松浦史郎さん。

加計呂麻島を訪れる際には、レンタカーもいいですがぜひ「加計呂麻バス」を利用されてみてはいかがでしょうか?

この島に流れる特有の時間の流れ、人々の生活スタイルの一端を感じることができるかもしれません。

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この記事を書いたフォトライター

三谷晶子

三谷晶子

作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityを開始。

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