シマ自慢八月踊り

城前田集落の憧れ!ウチジャシのクズシが独特な八月踊り

  • 手は胸の高さでゆらゆらさせたり、左右交互に腕を上げ下げしたり
  • 途中、中央を向いて右足を前に出すと同時に、体を傾けながら右手を斜め下に差し出して
笠利1区城前田集落の八月踊りは、周辺集落と比べて非常に曲のレパートリーが多く、25曲あるのが特徴的だ。かつては40曲ほどあったともいう。
25曲ものレパートリーのなかで毎回必ず歌われるものは「おぼこり」と「祝(いわい)つけ」という定番の2曲。それ以外に、場の状況や時間を考慮し選んだ3曲ほどを踊り、最後は六調という祝い踊りで盛り上がる。

「ウチジャシ」と呼ばれる、歌い出し担当の男性数名がリード役となるが、城前田集落のウチジャシの合図が独特だ。始めは他集落とさほど変わらず、女性数名のチヂン(太鼓)担当に合わせてウチジャシが歌いだせば、みながこれに合わせて踊り、男女交互に歌の掛け合いが始まる。

面白いのは、ウチジャシによる「クズシ」という途中の合図だが、合図というよりは歌のようなものだ。例えば八月踊り唄のメロディの途中にウチジャシが違うメロディを入れていったん崩すことを合図とし、次の曲や最後の曲に進むというもの。
城前田集落のクズシは珍しく18種類もあると言われ、曲によってクズシの種類は決まっているが、タイミングはウチジャシ次第だそう。クズシを入れる「間」が大事だが、誰にでもできるものではないため、ウチジャシは城前田集落の男性陣憧れのパートだ。

現在はアラセツの豊年祈願祭で披露するほか、お盆や夏祭り、旧暦3月3日の浜おれなどで踊られている。今回はどの歌が歌われるのか、妙技・クズシがどのタイミングで入ってくるのかなど、注目するのも楽しい。

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SHIROMAEDA-笠利1区城前田集落-

地元呼称:シロマエダ、ウシロ 世帯数:103 人口:266

城前田・里前・金久の3集落で形成された北東部にある大笠利地区で、グスク(城)や風葬墓といった歴史・民俗的痕跡が多く残る。神前祭りや六月灯などは集落で踊りを奉納し、神社を大切にしている。

時期

豊年祭・旧暦3月3日・お盆・夏祭り

POINT

城前田集落だけではなく、里前・金久の集落と合同で踊られることが多い。豊年祭や夏祭りは集落以外の方も参加可能

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