奄美でしかできないことを住用の民泊で体験!【後編】浜辺で焚火を囲む唄あしび
島唄
2017/12/20
勝 朝子
奄美市住用町の体験型民泊「ほぉらしゃ家」に宿泊して、島唄を唄う「唄あしび」(唄遊び)を体験してきました。「ほぉらしゃ家」の様子は「奄美でしかできないことを住用の民泊で体験!【前編】郷土料理づくり」でお伝えしています。
体験メニューで「島唄・三味線体験」(3,000円)を申し込んで、満さんと一緒に隣の市(いち)集落へ。毎週水曜日は、満さんも参加している唄仲間の集まり「ゆらおう会」の日ということで、わたしも参加をさせていただきました。(普段の体験は、宿で行っています)
「ゆらう」というのは、島の言葉で「集まる」という意味。「ゆらおう会」は、地元の唄仲間が集まって唄あしびをしているそうです。
【島の唄者発見!と思ったら古薗さん】
山影に陽が落ちて、海辺の景色がうっすらと落ち着いた色合いになってきた頃、一人、また一人と仕事を終えて集まってくる人たち。海に向かって三味線を弾き始める人。どこかで見たような人だと思ったら、宿泊の受付をしてくれたNPOヤムラランドの古薗さんでした。今、三味線を練習中なのだそうです。
【浜辺に打ち寄せた流木で焚火】
みんなで流木を拾いながら海岸へ降ります。半島に挟まれて入り江になっている白い砂浜。寄せては返す波の音も穏やかです。集めた流木で火をおこし、浜辺で焚き火。陽が落ちて少し風が冷たくなってきたので、火の暖かさが沁みてきます。
【市集落の出身 用稲工巳さんの三味線が流れる】
近くにあった大きな流木をベンチがわりにして、座る場所を作っていると、前触れもなく流れてくる三味線の音。振り返ると、市集落出身のゆらおう会メンバー、用稲 工巳(よういね たくみ)さんが三味線を弾き始めていました。
【用稲兄弟の朝花節がはじまった】
静かにザザーッと寄せてはかえす波。パチパチ燃える焚火。ピンク色に染まった空に、月が昇ってきます。弦の調子を整えながら奏で始めた工巳さんの三味線に、お兄さんの用稲 博隆(ひろたか)さんの唄が加わります。島唄の始めに唄う「朝花節」です。満さんも加わって、男女でかけあいの唄になっていきました。
【火を囲み男女でかけあいの唄がつづく】
続いて「くるだんど節」、「むちゃ加那節」など、昔の島のイケメンや美人を唄った唄が続きます。島唄には農作業のつらさを紛らわすための恋の唄も多いのだそうです。
【月齢11日の月は明るく浜を照らす】
月に照らされた静かな海辺。波の音をバックに、暖かい焚き火を囲んで聴く島唄。素敵すぎて涙が出そうになります。どんな舞台もどんな会場も、この浜辺に勝るものはないでしょう。
唄い、焼酎を飲み、最近の出来事や仲間・集落のことなどを話し、また唄う。小さい頃から浜辺で集まっては、このように唄遊びをしていたのだそうです。
【宴の最後の六調まで唄は続きます】
途中、少し三味線を触らせていただきました。沖縄の三線に似ています。が、奄美は沖縄のような爪ではなく、竹などを削った細い棒で弾きます。弾いただけですっかり唄者(うたしゃ)気分。
宴のシメはテンポの速いにぎやかな六調。みんなで手踊りをして全員参加で場を盛り上げ、お開きにします。
ゆったりとした時の流れが最高なひと時となりました。
NPO法人すみようヤムラランド : https://yamuraland.org/
奄美市住用町の体験民宿 「ほぉらしゃ家」 : https://www.horashaya.com/
この記事を書いたフォトライター
勝 朝子
Webクリエイター、ITサポーター、奄美大島紬のポケットチーフ「フィックスポン奄美」代表。東京出身。縁あって奄美大島出身の夫と結婚。以来毎年奄美大島を訪れ、2012年奄美大島に移住。奄美の自然、人、文化、食べ物が大好きで、島の隅々まで日々探検中!