かくれ浜
年に数回現れる「幻の浜」は集落の暮らしと共にあった
喜瀬集落の沖合。普段は海のなかにあるが、大きく潮がひく時期だけに姿を現す美しい幻の浜がある。それが、通称「かくれ浜」と呼ばれる海中ビーチで、集落の人たちは「ナーバマ」と呼ぶ。
「昔はナーバマでトビンニャ(マガキ貝)や、スノリ(もずく)、スガリ(島タコ)なんか獲れたんだよ」。集落の人にとって「ナーバマ」は海の恵みを得る絶好の採取スポットだった。「ナーバマでウニを獲って食べたことが一番の思い出かな」と、喜瀬3区区長の里中静男さんは思い出を懐かしそうに語ってくれた。
しかし時代は変わり、豊富に採れていた海産物も現在ではあまり採れなくなったとも。原因は定かではないが、潮流の変化が影響したのではないかと推測されている。
冬はオープンしていない、暖かい時期のみのかき 氷屋さん「HOT PEPPER」。奄美のフルーツを使ったかき氷がおすすめ。かくれ浜のおともに
しかし現在ではその美しさで観光人気が上昇。姿を現すのが、年に数度しかない「マイナス潮位になる大潮の干潮時」という限定感も好奇心をかきたてる。
おすすめの時期は、海水が温かくなる5-6月ごろから。歩いてかくれ浜まで渡ることができる。海上の白砂ビーチにたどり着いたら、高い透明度の海で泳いでもよし、砂浜を散策してもよし。陸側とはまた違う楽しみ方が味わえるだろう。
レトロな雰囲気漂う「平商店」
かくれ浜の美しさは、集落の人々が守りつないできたからこそ保たれている。訪れる際はマナーやルールを守り、喜瀬集落の豊かさを実感してほしい。
KISE-喜瀬集落-
地元呼称:キシ 世帯数:229 人口:384
笠利湾に面した58号線沿いにある集落。1〜3区で構成されていて、海だけでなく広いサトウキビ畑も有する。おだやかな海からの恩恵を受け、自給自足の暮らしを基本としてきた。
時期
POINT
浜から歩いて行くことができる。水着、ウォーターシューズは必須