【島ジューリ漫画|vol.3】シマッチュはやっぱり落花生が好き!
島コト
2019/01/28
才木美貴
うがみんしょーらん。
瀬戸内町地域おこし協力隊の才木と申します。趣味のイラストや漫画を使い、奄美のおいしい島ジューリ(島料理)を、私なりの視点から全6回でご紹介させていただきます。
第3回目の島料理は、前回使った落花生がメインの「落花生のてんぷら」をご紹介します。
■島ジューリ漫画(全6回)■
【島ジューリ漫画|vol.2】奄美の家庭料理ニムンとは?
【島ジューリ漫画|vol.3】シマッチュはやっぱり落花生が好き!
【島ジューリ漫画|vol.4】クーニャとはなんですか?
【島ジューリ漫画|vol.5】アンダギーといもてんぷら
【島ジューリ漫画|vol.6】これがホントの島の味コーシン
奄美では行事などの集まりがある時は今でも、必ずといっていいほどにてんぷらがお弁当の中に入っているものです。
アオサやモズクなどと並んで島の人に愛され馴染みのある食材が落花生のてんぷら。
豊年祭と呼ばれる島の一大行事にも弁当を用意して楽しみます。かつては、採れたての落花生のてんぷらなどの揚げ物だけを持って行事に参加していたそうです。
落花生とあずきは昔はみんなよく作っていた
「ジマム(落花生)とアハマムィ(あずき)はみーんな作ってたんだよ。今はね少なくなっちゃったけど。」
と、ちょっと寂し気に教えてくれたのは、今も裸足に草履スタイルでテル(かご)をかついでスタスタと軽快に歩くおばぁ。
この時もそのスタイルで、とったばかりの島のあずきだとアハマムィを見せてくれました。
出来立ての香りにぞくぞくと集まるしまっちゅ
料理の先生は瀬戸内町の蘇刈(そかる)集落の青年団長で元料理人の方。
集落の公民館をお借りして作ってもらいました。
落花生の香ばしい匂いが集落の公民館から広がっていったのでしょう。ぞろぞろと集落の人が集まってきたので、てんぷらの写真を撮影する前に食べられてしまう!とあわてて撮影しました。
今回といい前回といい、島の人は本当に落花生や豆が好きなんだと実感しました。今回は揚げ物なので、より美味しそうな香りが漂ったのでしょうね。
それではさっそく落花生のてんぷらの材料と作り方を見ていきましょう!
材料
卵
生の落花生
天ぷら粉
塩
砂糖
水
揚げ油
落花生のてんぷらの作り方
落花生は必ず生のものを使うこと。収穫後に殻をむき冷凍しておいたものでも良いそうです。
天ぷら粉に書かれてある分量よりも水を少なめにして、もったりと重たい状態であるのがベスト。塩少々だけでなく砂糖を少しあわせるのもポイントです。こうすることで落花生の優しい甘さがひきたちます。
落花生を加えざっくりと混ぜ、落花生と粉がからむような水加減、粉加減に調整したら、170℃~180℃くらいの温度で揚げます。
あまり大きいと火を通すのが大変なので小さくまとめるほうが失敗しにくいようです。
美味しそうな落花生のてんぷらが完成しました!
出来立てはホクホクとしたお豆の感触が楽しい。
ゆで落花生よりも優しい甘さでお菓子としても好まれそうな、どこか懐かしい味なので島の人のソウルフードといってもいいくらいなのではないでしょうか。集落のみなさんがぞろぞろと集まって来るのも自然なことなのかもしれません。
おまけ:島のお菓子紹介
かたがし
今ではお土産用にアレンジされたものが売り出されたり、子ども達に島料理として伝承したりと作りやすさが魅力のかたがし。瀬戸内町などの奄美南部ではこういいますが、北部の方だとムスクなどというようです。これも言葉と一緒で島内で違いがあるようです。前回のりゅびもちと同じく、お盆のお供え菓子として今でもお供えする方もいるのですが、作られる方は少ないようです。
50代以降の方は「子どもの頃はあんまり美味しくないと思ったけれど、作るのを手伝ったたり近所に配ってまわったりした」と、今となっては良い思い出であることを話してくれます。
この記事を書いたフォトライター
才木美貴
瀬戸内町地域おこし協力隊として情報発信ばかりしている主婦。2013年から主婦をしている割には、料理に対する苦手意識から手抜き料理ばかりの為、料理レベルが一向に上がらないのが悩みから諦めに移行中なのが悩み。2016年に風光明媚な瀬戸内町の蘇刈集落へ移住。「移住は奄美」をキャッチフレーズにコアな瀬戸内町の情報をSNSなどで発信。 HP:https://iju-amami.strikingly.com/ SNS:Twitter&Facebook&Instagram「移住は奄美」