心温まるシマのお母さんたちの味。住用にあるお弁当屋さんを巡ってみました。

島食

2019/01/25

ペン

田中 良洋

奄美の住用 お弁当とおにぎりの写真

奄美大島に来て、意外にお弁当屋さんが多いなと思ったことはありませんか?それも、大手のチェーン店ではなく、個人経営の小さなお弁当屋さんです。

奄美大島以外の地域でどのくらいお弁当屋さんがあるかは分からないので、特別多いかどうかは定かではありませんが、よくよく見てみると島のどの地域にもお弁当屋さんがあります。

安く、手軽に地元の味が楽しめるのがお弁当の魅力。今回は、奄美市住用町にある2つのお弁当屋さんを訪ねてみました。

 

地元の人に愛されるお弁当屋さん

住用 お弁当を買い求める様子

奄美大島には現場作業をされる人がたくさんいます。トラックを運転して工事の現場に行く人、山に行く人。そういった人がお弁当を買って行きます。

仕事場所によっては近くに飲食店やコンビニエンスストアがないこともあるため、朝、仕事に向かう途中に自分が好きなおかずが入っているお弁当を買って現場に行かれるそうです。

主婦や一人暮らしの方など、自分だけのお昼ご飯を作るのは面倒なときがありますよね。そんな時にこのお弁当が助かるのだそうです。

都会のビジネス街のように飲食店が立ち並ぶわけでもない奄美大島だからこそ、地元の人たちに愛されたお弁当屋さんが今もたくさん残っています。

奄美住用 地元のお弁当屋さんで弁当を買い求める様子

お弁当を作っているのは、シマのお母さんたち。働く人の健康を考えて、野菜を使ったおかずを増やしてみたり、脂っこい揚げ物だけにならないように魚も入れてみたり。

常連さんも多いからできるだけ飽きないようにお弁当のレパートリーを増やしています。シマの人が元気に働けるのは、お弁当屋さんのおかげかもしれません。

 

手頃なおにぎりが魅力の”まりまんま”

奄美住用のお弁当屋さん まりまんま

奄美市住用町の体験交流館の近く、名瀬から瀬戸内町に向かう道の左側にまりまんまというお弁当屋さんがあります。

店で働くお母さんたちは朝の5時くらいからお弁当をつくります。1日に作るお弁当の数は70〜100個、お米は10升も炊きます。

朝6時から購入可能。出勤前に買いに来る人が多いため、お昼にはほとんどなくなってしまっているそうです。お弁当がなくなったら営業終了です。

作業中のお弁当屋さん まりまんま

「毎日来る人も多いから、誰が何が好きかは分かってる。」と話すのは、まりまんまの内万理さん。建設業など外で体を動かす人は揚げ物などガッツリしたお弁当が好きで、事務所関係などデスクワーク中心の仕事の人にはさっぱりしたお弁当が人気だそうです。

ダイエット中の人はライスをサラダに変更することもできるのが嬉しいポイントです!

店頭に並ぶお弁当とおにぎり

定番のお弁当は、シャケ、サバ、白身魚、なんこつ、唐揚げ、メンチカツ、とんかつ、ハンバーグ、しょうが焼き、幕の内弁当。ご飯の上に豪快にお肉を乗せたスタミナ丼も男性に人気です。

奄美住用 お弁当と4種のおにぎり

車を運転する人に人気なのは、160円のお手頃価格のおにぎり。チューリップと書いてあるのは、スパムとたまごを挟んだもの。片手で食べられるので運転しながらでも食べられるのが人気の理由です。

心のこもったお母さんたちのお弁当、食べてみたくなりませんか?

奄美住用のお弁当屋さん まりまんま のスタッフ

 

要望に合わせて詰めてくれる”くまもと弁当”

奄美住用のお弁当屋さん くまもと弁当の入り口

まりまんまをさらに瀬戸内側に進むと、ほどなく左手に「お弁当」と書かれたのぼりが見えます。ここが奄美市住用町のもうひとつのお弁当屋さん、くまもと弁当です。

27年ほど続くくまもと弁当。創業者のくまもとさんが亡くなってしまい一時期は店を閉めることも考えられたそうですが、寂しいと思ってくれる人がいると感じ、今も続けているのが竪あけみさん。

人通りも少ない場所なので利益が出るわけではないですが、コンビニエンスストアのお弁当では感じられない温かさ、作った人の顔が見えて、飽きのこないお弁当を届けようと、お店を開けています。

お弁当作りの様子

地元の幼稚園にオードブルを届けることもあるほど、地元に寄り添ったくまもと弁当。ここの特徴は、量を変えたり、値段に合わせたお弁当を作ったりしてくれるところです。

「ご飯は少なめでいいよ。」

「梅干し乗せないで。」

「700円でお弁当作って。」

そんな要望に応えてくれるのが、このお弁当屋さんが愛されている理由かもしれません。お店は6時半から13時まで開いていますが、たまに13時を過ぎたころに「おかずが残っているかもしれない」と来るお客さんもいるそうです。

くまもと弁当のなんこつ弁当

くまもと弁当の人気メニューは、写真のなんこつ弁当。野菜もたっぷり入っていておかずが多いのが嬉しいです。こちらもお弁当の他におにぎりもあり、車の中で食べるため買っていくことも多いらしいです。

お店を始めた当時は住用町には飲食店自体が少なく、「お弁当屋なんてやっても儲からないよ。」と言われたそうです。それでも地道に続け、始めた頃からのお客さんが今でも来てくれるのが嬉しいと話す堅さん。

働く人の健康を考えて、野菜もたくさん入れるのがくまもと弁当のこだわりなので、お客さんから「野菜がおいしい。」と言われるのが何よりも嬉しいのだとか。

日曜日は基本的に休みですが、注文が入ればお弁当を届けてくれます。

奄美住用くまもと弁当の店先に立つスタッフ

 

旅のお供にお弁当はいかがですか

観光で来られた人は、朝ごはんをどうしようかと迷ったことはありませんか。コンビニエンスストアでパンやおにぎりを買うのもいいですが、たまには島のお弁当やおにぎりはいかがでしょうか。

奄美住用のお弁当手軽に島料理に触れられて、懐かしい家庭の味を楽しめるお弁当。朝、住用町を通る人は立ち寄ってみることをおすすめします。

晴れている日はお弁当を持って海岸でお昼ご飯を食べるもの楽しいと思いますよ!

 

 

《飲食店の詳細は のんびり奄美で掲載中!》

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この記事を書いたフォトライター

田中 良洋

田中 良洋

映像エディター/予備校スタッフ 兵庫県出身。奄美群島の文化に魅かれ、2017年1 月に奄美大島に移住。島暮らしや島の文化を伝えるために自身のメディア、離島ぐらし(https://rito-life.com/)を運営する。

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