見て、触れて、五感で学べる!奄美の自然を知る施設「奄美野生生物保護センター」
島コト
2016/05/06
麓 卑弥呼
世界的に見てもその希少性と特異性が認められている奄美群島の自然。ここに生息する貴重な野生生物について学べる施設がこちら、「環境省奄美野生生物保護センター」。見て、聞いて、触れて、五感で楽しめる無料施設をご紹介します。
「体感」できる奄美の自然
メインとなる展示は、「いのちの方舟・奄美群島」。奄美の有人8島ごとに展示コーナーがあり、そこに生息する生きものたちを紹介しています。コーナーの前に立つと、センサーが作動して島々の動物たちの音声が聞こえてきます。気分はすっかり森の中。
なんと!国の特別天然記念物アマミノクロウサギの剥製(はくせい)に触れることができます。そっと触れてなでてみると、愛着がわいてきますね。野生生物保護の意識が高まる気がします!
こちらは毒蛇・ハブがまさにネズミを捕食しようとしている瞬間。奄美大島に住んでいても、こうした野生生物を普段間近に見ることはほとんどありません。野生生物たちのリアルな模型や剥製がたくさん展示されていて、写真も撮り放題なのはうれしい限り。
奄美の自然に関する最新情報がここに
こちらは「生きもの掲示板」。同センタースタッフが、奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島で出会った生きものの観察情報をマップにしています。
いまの季節に出会える動植物が一目でわかる、まさに情報の最前線。
円形のライブラリーには、奄美の自然に関する書籍や映像がぎっしり。小さなお子さんでも楽しめる、くつろぎ空間がうれしいですね。
展示だけじゃない!野生生物の調査・保護事業も
この施設は環境省所管の施設で、奄美群島の生きものや自然を保護するために設立されました。世界自然遺産候補地になっている奄美群島の自然は非常に豊かですが、一方でマングースなど外来種によるアマミノクロウサギなど野生生物への捕食被害も問題になっています。こうした問題に対し、同センターではこれを調査し、野生生物の保護増殖を行う役割を担っています。
アマミノクロウサギの生息数を調べるため、山に入ってクロウサギの糞を数える調査をしたり。
マングース駆除のため結成された組織「奄美マングースバスターズ」と連携して活動を行ったり。
こうした活動も、わかりやすいパネル展示で知ることができます。
まずは、野生生物を身近に感じることから。
希少な生物たちの剥製(はくせい)に会いに来てくださいね。
この記事を書いたフォトライター
麓 卑弥呼
ライター/しーまブログ編集長。東京都出身。大学時代に訪れた与論島にはじまり、縁あって奄美大島の新聞社に新卒で就職。さらに縁あって島人と結婚し、自らが島人となり奄美に完全に根を下ろす。フリーライターなどを経て2014年にしーまブログに入社し、現在に至る。