つながることで新しい働き方を!「奄美市WorkStyle Lab Inno」

島コト

2021/10/22

ペン

勝 朝子

2021年7月に奄美市名瀬の浦上地区に、「奄美市WorkStyle Lab Inno (あまみしワークスタイル ラボ イノー:以下、イノーと表記)」がオープンしました。

「フリーランスが最も働きやすい島化計画」を推進し、フリーランス支援に力を入れている奄美市が「場所にとらわれない働き方の実践・研究拠点」として作った施設です。

奄美在住者はもちろん、旅行者やワーケーションの方も利用できると聞いて、どのような施設なのか、早速訪ねてみました。

奄美市WorkStyle Lab Innoとは

イノーは、「奄美市産業支援センター」という建物の2階にあります。

「イノー」というのは奄美の言葉で、干潮時にあらわれるサンゴ礁に囲まれた浅い潮だまりのこと。昔から「海の畑」などともいわれ、小魚、貝、海藻など、多様な生き物が共生する場です。この施設も多様な人材が交流する場という意図があり、「イノベーションが生まれる場にしたい」という意味も掛けているそうです。

施設内のそれぞれの部屋も海にちなんだ名前がついています。では、順番に見ていきましょう。

コミュニティ・マネージャーが常駐

利用するときは、まず受付でメンバー登録をし、利用料を支払います。

管理人を務めるのは、コミュニティー・マネージャーの皆さん。
奄美市で仕事を探したいフリーランスの方や、奄美市のフリーランスとつながりたい方などに情報を提供したり、フリーランス向けのイベントやセミナーの企画もされています。

最大40人入れるコワーキングスペース

こちらの広い部屋は、コワーキングスペース。
高速LANに接続できる作業スペースとしての利用も可能ですが、コワーキングスペースとは、コ(共に)ワーキング(働く)スペース(場所)。
特にイノーでは、人と人とのいろいろな繋がりを生み出そうという試みをしています。

例えば、コワーキングスペースの壁。こちらには、会員の自己紹介カードが。
自分の仕事やどんな人と交流したいかなど、自己紹介をカードに書いてこの壁に貼っておくという試みを始めたそう。

自分から知らない人に話しかけるのはなかなかハードルが高いですが、ここの自己紹介カードを見て、島にこんなことをしている人がいるのだと知ったり、新たな出会いのきっかけになりそうですね。

みなさんも、ぜひ自己紹介カードを作って貼ってみてください。

また、コワーキングスペースの一角に、社会人向けオンライン生放送学習サービス『Schoo』(スクー)の体験コーナーがありました。

奄美大島在住の人は、なんと無料でSchooを受講できるという画期的な施策があります。そのお試しとして、こちらで受講体験ができるそうです。

また、コワーキングスペースでは、セミナーやイベントなどの開催もいろいろと計画中。
イベント開催時には、一般の利用は他の部屋へのご案内となることがあります。来館前にホームページでカレンダーをチェックしてくださいね。

集中したいときは集中作業スペースへ

静かに集中して仕事をしたい時、おすすめなのがこちらの「集中作業スペース」。

地元の方や旅行の方で、自宅やホテルの部屋でも仕事ができるけど、家族がいるとオンライン会議や集中したい仕事ができない、という方の利用も多いそう。

特に、一番奥の防音個室は人に聞かれたくないオンライン会議には最適です。

ワークショップにも便利な会議室

ネットを使いながら打ち合わせをしたい!仲間と一緒にワーケーションで使いたい!オンライン会議をしたい!そんな時に便利なのが会議室

白い壁は一面全部がホワイトボード。プロジェクターやモニター、マイク、カメラなど、オンライン会議に必要なものが一式揃っています。

数人での会議はもちろん、リモート会議をしたい人が一人で利用することも多いそうです。

会議室は、他に数人程度のセミナーやワークショップなどのイベントにも人気です。
イノーには、ミシンのレンタルもあるそうですよ。

キッチンのある商品開発スペース

イノーが他のコワーキングスペースと違うところは、こちらのキッチン設備が整った商品開発スペース
奄美の食材で新しいレシピを商品化に向けて試してみたい方、試食会や料理教室をやってみたいという方にも使えるスペースです。

写真は、新店舗のメニュー開発で利用されたの時のもの。10人くらいの参加者が快適に利用できる空間になっています。

商品開発に使われていないときは、部屋全体をカフェスペースとして利用可能。食べ物はこちらの部屋の中なら食べてもOK。
管理人さんが常に作っておいてくれているコーヒーは自由に飲んでいいそうです。

お子様連れでも安心なキッズスペース

オープンして以来近所の方も旅の方もよく利用されているキッズスペース
小さい子どもの場合はこのスペースで仕事をしながら一緒に過ごせます。
子育て中フリーランスも奄美では多いので、助かると好評です。

奄美で暮らしながら働きたい方にはサテライトオフィス

奄美大島に会社のオフィスを置きたい!そんな方にはお試し用のサテライトオフィスがあります。大変人気があるそうなので、興味のある方は管理人にお尋ねください。

人々の出会いを作りたい

2021年現在、イノーでコミュニティー・マネージャーを務める株式会社しーまの麓 卑弥呼(ふもと ひみこ)さんに、オープンしてからの利用状況を聞いてみました。

「島内の人はもちろんですが、帰省中の人や、定期的に奄美大島に来ている人、ワーケーションの人など、いろいろな人にご利用いただいています。」

コワーキングスペースというと、大人のための仕事空間というイメージがありますが、イノーでは学生も大歓迎なのです。
「中学生までは保護者同伴が必要ですが、高校生などの自習にもぜひ使ってほしいと思っています。いろいろな仕事をしている人たちを近くで見ることが、学生たちが将来を考える上で良い刺激になりますしね。」

利用者からは「利用者がそれぞれ自分の好きな仕事や趣味などに熱中しているので、自分も刺激がもらえ、とても良い環境だと思います」と好評だそう。

イノーは、オープン以来、使う人の発想で使い方がどんどん進化し続けています。

「意外だったのは、キッチンを「石鹸づくり」など料理以外の目的に使う人も現れたことです。石鹸づくりは火や水を使うので、キッチンスペースが最適だったというのは目から鱗でした。」と麓さん。

いろいろな分野や年齢の人が集まることで、さらに新しい発想や出会いが広がりそうです。

この場がなければ出会わなかったであろう人々の出会いを作りたい」という、これからの進化が楽しみなイノー。
皆さんもぜひ一度訪れてみてください。

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この記事を書いたフォトライター

勝 朝子

勝 朝子

Webクリエイター、ITサポーター、奄美大島紬のポケットチーフ「フィックスポン奄美」代表。東京出身。縁あって奄美大島出身の夫と結婚。以来毎年奄美大島を訪れ、2012年奄美大島に移住。奄美の自然、人、文化、食べ物が大好きで、島の隅々まで日々探検中!

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