フォトウォークで出会った、山のサンセット【奄美市住用町内海】
島景
2016/04/22
伊達 優
奄美大島は、自然環境に恵まれている大きな島です。
そこで自然を満喫したいなら、様々なやり方があると思います。
その中でも、じっくりと素の自然を体感するような歩き方をしてみたい方にとって、”フォトウォーク” をお勧め致します。
やり方は簡単。
どんなカメラでも構いません。カメラを持ち、好奇心に任せ自然の中を歩き、見つけたものを撮影してみましょう。カメラを持つだけで、普段と違った目線と足取りになるため、より自然の奥へ入っていけるのです。
さあ、フォトウオーク開始!
住用町内海のフィールドを舞台に、フォトウォークのエッセンスをご紹介してまいります。
名瀬中心市街から国道58号線を南下すること30分。深い山間の緑を眺めながら4本のトンネルをくぐり抜けると、道の起伏は薄れて行きます。湾状路に出たところで海を眺めると、水平線が見当たらないことに気付きます。そこは周囲1km程の丸い湖のような汽水域だったのです。
目を湾奥に移すと、河口から小さな半島状に伸びた干潟が目に留まります。
そこで気になったのが、マングローブ。
地盤のゆるい河口域に踏ん張るこの植物には、なにか逞しさを感じずにはいられません。
水の流れをたどる
次にどこに行こうかと、考えると、ふと湧いた疑問が、
「内海からの流れは、どこにつながっているのだろう?」ということ。
さっそく、”水の出口”を探すことにしました。
北方からの支流と合流していて、思ったよりも大きな河口。
この撮影ポイント周辺は、内海と外海の両方を一度に味わえる所でした。
今度は内海から河口につながる首にあたるエリアを、歩いてみました。
平たく整備された、公共の広場に出ました。
自然歩き初心者の方は、こういった所から歩き始めると良いかもしれません。
クライマックスは極上サンセット
やがて、太陽は傾き始めました。
辺りは金色に輝き、詩的情緒を醸し出します。
夕陽が良い感じで撮れそうな場所を探す事にしました。
内海では海の反対側、山越しに太陽は沈んでいきます。
海側を塞いでいる堰の辺りに移動。
次々と姿を変えていく夕空、みるみると沈みゆく太陽。
動いている自然を撮影することは難しく、まただからこそ、高揚するものです。
自然は人に感動を与え、癒し・活力を授けてくれます。
現代人の多くは、街で生活をしています。そこでは得られない何かが、奄美大島の自然の中にあるのだと思います。ささやかな冒険心とカメラを片手に、一歩自然の中へ踏み出してみてはいかがでしょうか?
言葉を超えた体験が、今そこで起ころうとしているかもしれません。
この記事を書いたフォトライター
伊達 優
写真歴22年。沖縄に14年間在住の後、奄美大島へ移住して3年。ライフワークとして、海岸を題材とした写真作品を制作している。現在、分野を拡げてフォトライターとしても活動を展開中。 2011年、カフェ・アソシアにて二回目の個展“orbit”開催。seakayak~海を旅する本~vol.27~39に、記事&写真の連載。コミュニティFMニライの番組”Nature Human”にて、企画&パーソナリティを勤める。