大事な人とうっとりと、用安の夕陽ウォッチング
島景
2016/07/15
伊達 優
奄美空港から8kmほど名瀬方面へ南下すると、海岸沿いにはレストランやリゾート施設など、目を引く店舗が連なっています。
そこは用安(ようあん)海岸、奄美大島を代表する海岸の一つです。
観光シーズンには、島外から訪れる家族や若者たちで賑い、ビーチは活気づいているところです。
ちょっとしたビーチリゾートのような用安海岸ですが、昔ながらの素朴な海岸集落という顔を併せ持っています。
華やかなビーチから少し歩いてみると、時間の流れが変わったように感じるかもしれません。
集落に近寄るほどに、アースカラーが目に馴染んでいきます。
海で遊ぶ人たちが身にまとうキラキラとした色彩に慣れていた視覚は、野花の彩り、新芽の輝く緑や海の透明感といった自然が作り出したものへと移り変わっていきます。
ゆっくりとした島の感覚を味わうには、海岸をぶらぶら散歩するのが良いでしょう。
用安海岸は、都会的な快適さと南国の島時間の両方楽しめるスポットなのです。
一続きの同じ海岸で、リゾート前と集落前を分けて眺めてみるのも楽しいことだと思います。
奄美大島・用安での楽しみ方は、他にも沢山あることでしょう。
ここでは大事な人と共に過ごしたい、用安での夕陽ウォッチングのポイントを紹介します。
自然のまっただ中の空中舞台、「明神崎展望台」です。
用安海岸から車で2分ほど空港方面へ北上すると、奄美てぃだ発電所が左手に見えてきます。
更に30mほど上がったところを右手に入ると、未舗装路になります。
あとは標識に沿って道なりに進むこと200mくらいで、明神崎展望台駐車場に着きます。
ここから徒歩10分ですが、急坂を自分の足で登ることになります。
凹む条件ですが、しっかり整備された道なので問題ありません。
歩き易い靴に履きかえて、さあ挑戦してみましょう!
ともあれ、厳しい道中も楽しんでしまうのが得策です。
はじめのS字路を登りきると、左手に眺望が開けます。
立神・奄美パーク・空港が重なって見える眺めは、なかなか良い感じです。
ベンチもあるので、ここで一休みするのも良いでしょう。
その先を少し登ると傾斜の緩い尾根路になります。
そこには虫やトカゲが沢山いるので、観察してみるのも良いでしょう。
そして、待望の明神崎展望台に到着!
ここは南に張り出た岬の頂上部なので、朝陽も拝めるところなのです。
下の写真は、靄(もや)にかすむ朝陽。
左手前に見えるのが用安海岸、島越しに沈む太陽。
うっとりとした時間を、是非、大事な人とお過ごし下さい。
この記事を書いたフォトライター
伊達 優
写真歴22年。沖縄に14年間在住の後、奄美大島へ移住して3年。ライフワークとして、海岸を題材とした写真作品を制作している。現在、分野を拡げてフォトライターとしても活動を展開中。 2011年、カフェ・アソシアにて二回目の個展“orbit”開催。seakayak~海を旅する本~vol.27~39に、記事&写真の連載。コミュニティFMニライの番組”Nature Human”にて、企画&パーソナリティを勤める。