無人島にいるような自由さでくつろぐ。「海宿5マイル」
島宿
2016/03/08
三谷晶子
古仁屋港より、船で約20分。加計呂麻島の瀬相港から約車で10分ほどの伊子茂集落に、海宿5マイルはひっそりとあります。
宿の名前、5マイルは加計呂麻島のさらに奥、請島と与路島の近くにあるハミャ島から約5マイルという意味。
ハミャ島は、西側斜面に吹き寄せられた白い砂が堆積した「与路砂丘」が広がる独特の景観の島。チャーターした船でしか行けない無人島です。
宿の名前の由来を聞くと、「無人島にいるときのように、自由に、ここにいる時間を楽しんで欲しいから」とのこと。
オーナーはこの宿のオープン前に、数年間無人島に住んでいたことがあるそう。無人島で感じた、何のしがらみもなく自由に、自然の中にいる状態をこの宿でも味わってほしいという願いが宿の名前にこもっています。
全室オーシャンビューのお部屋は和室と洋室があり、予約時にお好きな方を選べます。
食事はなるべく地産地消の野菜を使い、漁師でもあるオーナーが採ってきた魚や夜光貝のお刺身がメイン。
調味料は添加物を使わず、味噌は自家製、塩は加計呂麻島の海水から作る自然海塩を使用。お米は無農薬米を、その日に精米して炊いています。
この日のメニューは、スズキ系のオジサンという魚のお刺身(4人以上から)、夜光貝のお刺身(2人以上から)と、
冬瓜と鶏肉と壬生奈のレモン煮、島野菜のサラダとイシガキダイの竜田揚げ、夜光貝と島にんにくのワタ炒め。季節の食材を生かしたお料理は、島の自然の力を体の中からも取り入れてくれるような気がするやさしい味です。
お部屋の前のお庭には虹色のハンモックとカヤックが。カヤックは無料で楽しめます。
集落の中でも奥まった場所にあり、ビーチが湾になっているため、宿泊客以外は、誰も来ません。
すぐそばには山があり、鳥のさえずりが響き、夜は波の音しか聞こえない場所です。
「ここにいるだけでもいい、何もしなくてもいい」。
ただゆっくりくつろぎ、何にもわずらわされることなく、目の前にある美しい景色に心を溶かすような時間を過ごす。
海宿5マイルでは、それを心置きなく味わえます。
オーナーご夫妻には3人の子どもがいるので、お子さま連れも大歓迎。
お客さんとオーナーご夫妻のお子さま同士が仲良くなることもよくあるそう。
宿の目の前に広がる伊子茂湾の海のように、なめらかで落ち着いた時間をぜひ過ごしてみてくださいね。
この記事を書いたフォトライター
三谷晶子
作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityを開始。