オーガニックでおしゃれな純黒糖をお土産に「奄美きょら海工房」
島モノ
2016/03/08
はしぐち たけし
できたてが味わえる純黒糖みつのソフトクリーム
奄美大島のお土産を探しているのなら、ぜひ訪れてみて欲しい場所があります。
それは、白浜の美しい用安(ようあん)海岸にある「奄美きょら海工房」。
ランチタイムには、地元の食材を使ったパスタや石窯のピザなどが楽しめ、パンは食べ放題! シマンチュにも人気のカフェです。
カフェだけでなく、こだわりの黒糖を使ったスイーツが販売されているというのですが…。
82号線沿いなのでアクセスもよく、白壁のシンプルな外観に黒い看板を見つけると、最初に目に付くのは…トラック!?
物々しい音に中をのぞき込むと、専用の機械がサトウキビを圧搾し、大きな四角い鉄の鍋でキビ汁が煮詰められ、まさにいま黒糖がつくられている最中。
黒糖ってこんなふうに出来るんですね。
(要予約で見学も可能とのこと)
島にも優しい自然農法に手探りで取り組んだ
台風の多い奄美大島では、その強風に負けない農作物としてサトウキビ栽培が盛んです。
でも、いくら強いといっても品質を保ち、病気に強いサトウキビを育てるのは容易ではありません。
通常、奄美大島のサトウキビ収穫シーズンは11〜4月だそうです。
これは、寒さでサトウキビの糖度が上がるため。
しかし「奄美きょら海工房」では、「新鮮でおいしい黒糖を一年中楽しんで欲しい」という思いから、夏場の収穫も行っています。
「農薬、化学肥料、たいひを一切使わない自然農法でサトウキビを育てています。きっかけは展覧会に出展したときに、海外のバイヤーにオーガニックかどうかよく聞かれたためです。当時はサトウキビ農家で自然農法を行っているところはまだほとんどなく、手探りで始めましたよ」
奄美きょら海工房の自社農園では、圧搾の終わったサトウキビをコンポストとして利用していました。
「これが日陰になって雑草から守ってくれるんですよ。発酵したサトウキビの圧搾殻を土に混ぜると水はけも良くなって、甘みも増すんです」
もともと、名瀬でケーキ屋さんを営んでいたというオーナーが、豊かな島の食材をもっと活かしたいという想いから、この地に工房を兼ねたカフェを開いたそう。
「料理作りの要はなんといっても塩。だから、ここの工房では塩もつくっているんですよ。もちろん、くみ上げているのは目の前の海です」
お茶請けだけじゃない! 広がる黒糖の楽しみ方
「黒糖」というと、昔からお茶請けにたのしまれているブロック状が定番です。
少し、力を込めて奥歯でコリッとかみしめるとぽっくりと割れ、素朴な甘味が口に広がります。
ただ、歯が弱い人や甘いものが苦手な人には、少し親しみにくかったのが正直なところでは。
奄美きょら海工房さんでは、夏場でも出来たての純度100%黒糖をなじみのあるブロック状(ハードタイプ)として販売するほか、パウダータイプ、そしてシロップタイプでも販売しています。
いっさい加水を行わず、純度と鮮度を保ったままつくられた「純黒糖みつ」の味わいは、世界的に有名なショコラティエにバレンタインギフトフレーバーとして選ばれたほどのお墨付き。
ソフトクリームはもちろん、パンケーキやお料理でも黒糖の味わいが大活躍します。
また、黒糖を使ったこんなアイテムもオススメ。
それは、島しょうがを使った「島しょうが純黒糖」。
第一回奄美群島しま一番コンテストで最優秀賞を受賞した逸品で、調味料として親しまれてきた島しょうがを乾燥し、粉末状にして作りたての純黒糖と合わせました。
少し濃いめでお湯に溶けば、黒糖の甘みと島しょうがのポカポカ成分が、のどや身体が染みわたり、風邪の引き始めも良さそう。
もちろん、コーヒーや紅茶に入れて、お砂糖として使ってもおいしいです。
店内には他にも、奄美大島の特産物を使ったお菓子も。
お土産選びに一度は立ち寄りたい場所ですね。
この記事を書いたフォトライター
はしぐち たけし
フォトグラファー/ディレクター LUCE合同会社代表。奄美にルーツを持ち、東京にて、広告、ファッション、カタログ等のスチール、ムービーの企画、ディレクション、制作、撮影を行う。また、近年ルーツである奄美にたびたび戻り、撮影活動をしている。