有良の「ケンムンの散歩道」は写真スポットの宝庫!?
島景
2017/12/14
勝 朝子
奄美大島のあちこちにあるガジュマル。
英語ではバンヤンツリー。ハワイやバリなど熱帯地方でよく見かける木です。
太い幹に幸せが詰まっている、幸運の木と言われています。
このガジュマルの素敵な小道「ケンムンの散歩道」があると聞いて、奄美市名瀬有良(あった)集落へ行ってきました。
有良(あった)は東シナ海に面した小さな集落。有名なのは、特産の大根「有良大根(アッタドコネ)」。とても大きくておいしいと人気です。
ケンムンの散歩道は、集落を流れる川沿いの70mほどの小道
集落の中を流れる川沿いに、大きなアカギの木とベンチがあります。
このベンチの前が、「ケンムンの散歩道」の入り口です。
入口の脇には、今は使われていない大島紬の機織り場。
散歩道は、歩き易いように道が舗装されています。
少し歩くと両側から被さるようなガジュマルのアーチ!
写真を撮ってInstagramにアップしたら、「これは日本ですか?」って訊かれそう。
さすが南国。この生命力!ものすごくパワーを感じます。
奄美大島では、ガジュマルには森に住む妖精ケンムンが住んでいると伝えられています。
この散歩道には、ケンムンだけでなく、トトロも出てきそうでしょう?
ガジュマルをよく見ると、幹の途中から幹のような根のようなものが垂れ下がっています。
これは気根(きこん)という根。この気根がまっすぐ伸びて地面中に付くと太くなり、ガジュマルの木を支える支柱根となります。
本当に柱のようで何ともミステリアス。
散歩道には、ガジュマルのほかに、ソテツ、クワズイモ、ヤシなども生えていて、まるで南国のお庭!
ケンムンの散歩道は集落の生活に欠かせなかった道
「ここの散歩道ではハブは出たことないよ。」と集落に住む原口 鐵磨(はらぐち てつま)さん。
原口さんが生まれる前からあったこの散歩道。
有良集落には、冬場は北西から強風が吹きつけます。この散歩道のガジュマルは、もともと集落の防風林として集落の人たちが協働で植えたものだそうです。
その後、集落から神社に向かうのにみんながこの道を使っていました。
「有良で採れたアッタドコネ(有良大根)の切干を作るためにここで大根を干したり、大島紬の締め織りをする前に糸を糊で固める『糊張り』という作業をしたりするのにも使っていたんだよ。」
原口さんが子供のころには、みんなでここのガジュマルに登って遊んでいたとか。ガジュマルの樹液から自分たちでガムを作って遊んだりもしたそうです。ケンムンを見た子供もいたかも・・・。
ケンムンの散歩道の終点は絶景の見晴らし台と厳島神社
散歩道を出たとたんに海から吹きつけるものすごい風。ところがこの小道の中は外の強風が信じられないほど風がとても穏やか。
あの柱のような気根でがっちり木を支えているので、強風にもびくともしないのでしょう。
散歩道の突き当たりには、集落の集まりなどに使われている児童館。その庭にとても気持ちのよさそうな見晴らし台を発見!
夏には、夕方になると集落の人が見晴らし台に集まってきて、海を見ながらビールを飲んだりしているのだそう。
しかも、海に沈む夕陽は絶景とのこと!羨ましいですね。
川を渡ると集落の神社、厳島神社。
幸せの木、ガジュマルでトンネルになった「ケンムンの散歩道」を通ってここにお参りすると、幸せになれそうな感じがします。
有良の「ケンムンの散歩道」は、とても素敵な写真スポットがいっぱいでした。ぜひ「ケンムンの散歩道」を訪れて、ケンムンやトトロの出そうな写真、撮ってみませんか?
クリスマスには「ケンムンの散歩道」でライトアップされたガジュマルが見られるかも…!?
この記事を書いたフォトライター
勝 朝子
Webクリエイター、ITサポーター、奄美大島紬のポケットチーフ「フィックスポン奄美」代表。東京出身。縁あって奄美大島出身の夫と結婚。以来毎年奄美大島を訪れ、2012年奄美大島に移住。奄美の自然、人、文化、食べ物が大好きで、島の隅々まで日々探検中!