そうだ!奄美大島の名瀬の街中で糸芭蕉で遊ぼう!!
島遊
2019/01/04
井田陽平
奄美大島旅行をご計画中のみなさまへ、奄美大島で楽しめるさまざまな体験をご紹介する「そうだ!奄美大島で〇〇体験をしよう!!」シリーズ。
第7回目の今回は、「糸芭蕉で遊ぼう!!」をご紹介します!
奄美市名瀬の街中にある、はた織りの店『あまみ~る』さんにイトバショウで作る織物体験に行ってきました!
取材当日はあいにくの雨模様だったのですが、体験は室内で行われるので全く問題なし。
というより、雨の日プランとしてオススメのアクティビティだと感じました。
『あまみ~る』さんは、奄美大島の中心街・奄美市名瀬の中心部にある商店街、「銀座通り」の入り口にあります。
「街中に奄美の伝統文化を体験できる場所がなければ意味が無い!!」
そう語るのは、この場所で長年お店を続けていらっしゃる店主の内山初美さん。
気さくでお話好きな、とてもチャーミングな方です。
大島紬の継承活動をはじめ、奄美の伝統文化を次世代へ繋げるために積極的な活動をされています。
奄美の発展や観光のあり方についてのお話にも含蓄がありました。
「イトバショウ(糸芭蕉)」とは、島に自生しているバショウ科の多年生植物のこと。奄美では昔からイトバショウの繊維を取り出して糸を作り、布を織って衣服を作っていました。
非常に手間のかかる作業のため、今ではほとんど行われていないこの伝統文化の一端を、内山さんは観光で訪れた人でも気軽に体験できるようなアクティビティにして伝えています。
ちなみに野生のイトバショウは、名瀬の中心街から近い場所では、国道58号線の本茶トンネルを空港側に抜けた左側と大浜海浜公園で見られるそうです。
さあ、いよいよ体験の開始です。
イトバショウの糸を使ってコースターを作っていきます。
上の写真の茶色いひも状のものは、イトバショウの幹の皮を細くはぎ取って灰汁で煮たものです。
それを、このように竹製の道具で不要なものをしごき落とし、繊維だけを取り出します。
昔の人はこれを紡いで芭蕉布(イトバショウで出来た織物は「芭蕉布」と呼ばれています)にして、衣服にしていたのですね。
ちなみに、昔は質が良い幹の内側のものを献上用として、それ以外の部分を庶民の普段着用として利用していたそうです。
幕末の奄美を描いた名越左源太著作の『南島雑話』。
奄美の文化や風俗が描かれた貴重な資料ですが、ここに芭蕉布の作り方が詳しく描かれています。
今でこそ奄美大島の織物と言えば「本場奄美大島紬」ですが、実は奄美大島では大島紬よりも芭蕉布が衣服の主たる材料だったそうです。
内山さんが草木染めをされた綿糸と一緒にイトバショウの糸を織り込んでコースターを作ります。
まず、縦糸に横糸を通してトントン。
次に、卓上ばたの綜絖(そうこう)をくるくると回して縦糸の上下を入れ替えます。
そして、また横糸を入れてトントン。
この作業を繰り返して少しずつ織り上げていきます。
柄が現れてくる度にワクワクし、トントンくるくるも楽しくなってくること請け合いです。
この作業、ぜひ一度体験してみて下さい!!
こちらが織り上がった作品です。
店内には本格的なはた織り機もあって、こっちもやってみたいなー、という気になりました。
内山さんは、こうした簡単なアクティビティを通して、大島紬や奄美の伝統文化に興味を持ってくれたら、とおっしゃっていました。
『あまみ~る』さんでは大島紬の着付けや貸出も行っています。
紬を着付けてもらって、紬姿で街歩きや観光を楽しむのもOK。
一日島内周遊を楽しんだあと、最後にホテル返却でも大丈夫とのこと。要チェックです!!
店内には着物や小物など、粋な商品も並べられています。
取材の後はお話し好きの内山さんと話し込んで、ずいぶん長いことお邪魔してしまいました。
街中でアクセス最高、雨の日も大丈夫な『あまみ~る』さんに、ぜひお出かけになってみて下さいね。
この記事を書いたフォトライター
井田陽平
1974年生まれ。O型の乙女座。性格はポジティブ、根拠の無い自信は誰にも負けないと自負している。2012年(平成24年)に千葉県から奄美大島へiターン。妻とふたりで、子育てと島暮らしを満喫中。仕事は必要最低限、出来る限り家族や大切な人たちとの時間を多く過ごすというライフスタイルを基本に、子どもと戯れながら日々を過ごす。最近の悩みは、運動不足と高血圧。