まぁるい石が一面に敷き詰められた不思議な海「ホノホシ海岸」
島景
2016/07/04
トヨヤマ コトネ
瀬戸内町古仁屋の街から車で30分。奄美の南東にあるホノホシ海岸。
太平洋の外海に面した場所にあり、絶えず打ち寄せる強く雄々しい波と豪快にあがる水しぶきが特徴。
思わず演歌を歌いたくなるような、哀愁漂うカッコイイ海です。
駐車場に車を止め、少し歩くと広場が見えてきます。
足元にはたくさんの花が咲き、周りは山に囲まれています。
テーブルと椅子もあり、休日になれば家族連れやカップルなどがピクニックを楽しむ姿も。
中央にある小道を進んでいくと、「カラカラ…」という心地の良い音がかすかに聞こえてきます。
その音につられ歩いて行くと、ホノホシ海岸へ到着です。
海岸に入るとまずびっくりするのが砂浜ではないということ。
テニスボールほどの丸い石がゴロゴロと一面に転がっているのです。
丸くぼてっとした石は、この海の荒波に揉まれてできたもの。
波が引く度「カラカラ…」という音がします。
初めに聞こえてきた音の正体はこの石たちが転がりぶつかり合う音だったのです。
波の大きさによって変わる音色。
その心地の良い音に思わず聞き入ってしまうほど。
いくら石がキレイだからといって持って帰ってはいけません。
奄美では昔から石には魂が宿ると言われています。
ホノホシ海岸の石たちにはそのパワーが特に強く、万が一持って帰ってしまうと、災いが降りかかるという言い伝えがあります。
海岸のちょうど真ん中にある岩礁には、荒波に浸食されぽっかりとした穴が空いています。
波が打ち寄せると、「ドン!」と大きな音の波しぶきが。その光景はとてもダイナミック。
玉石に岩礁など、長い年月をかけ自然の力のみで出来上がった不思議な海岸は、一見の価値あり。
この海で波の音を聞いていると、心が洗われるよう。
帰る頃には心もほんの少し丸くなる、そんな海岸です。
この記事を書いたフォトライター
トヨヤマ コトネ
フォトグラファー/しーま編集部。 奄美2世。大阪のフォトスタジオで勤務後、 幼少期から何度も訪れていた思いいれのあるシマに2014年移住。写真や言葉にするのが難しい奄美の美しさをどう表現するか日々模索中。