佐仁集落に残る唯一の商店で「お宝発掘」体験!?

島コト

2016/05/19

ペン

泥ぬ マコ

笠利ヒガシ商店の店内

奄美の最北端に位置する、笠利町の佐仁集落。その中にある唯一のお店、「ヒガシ商店」を訪ねました。

佐仁集落で最後に残った商店

笠利ヒガシ商店の外観

お店の入り口では、色とりどりの花がお出迎え。オレンジ、赤、ピンク、黄色など色鮮やかなお花がそこかしこに咲き乱れています。

お花のパッとした色彩とは対照的に、明るさ控えめの店内。扉は開け放たれ、ひっそりとした空気に包まれています。

笠利ヒガシ商店の店内
中に入っても大丈夫かな?
という不安がよぎるものの、「こんにちはー」と声をかけると「いらっしゃいませー」と明るい声が帰ってきて一安心です。

お店にお邪魔したのは5月の初旬。いつもはおばがお店にいるそうですが、この日は体調が思わしくなく、別の方が対応してくれました。

ヒガシ商店は今の場所に移って30年以上お店を続けており、お客さんはお年寄りばかりなんだそう。

車のある人は、車で20分くらいの場所にあるスーパーへ行って買い物するようです。

「そちらの方が値段も安いし、品揃えもいいからね」
そう語ってくれた店員さん。

そうはいっても、このヒガシ商店。思ったよりも品揃えが充実しているんです。

目を凝らしてよーく見てみると…驚きの発見がザクザク!?

笠利ヒガシ商店、お肉の品揃えも豊富
米、魚、肉、野菜、豆腐や味噌、調味料、飲み物、お酒、お菓子などの食料品はもちろんのこと、洗剤や文房具などの日用品、(育てるための)野菜の種、それから薬まで置いてあるんです!

笠利ヒガシ商店、風邪薬も揃えています
ちょっと具合が悪い時に風邪薬などを購入できるのはかなり便利ですよね。

売っている商品も、なんだか懐かしいものや不思議なもの、かと思えば輸入品?のようなものまで多種多様。

一番驚いたというか、おもしろかったのは……電源の入っていない冷蔵庫の中。

ほんのりガラスが濁っている上に、店内の照明が控えめなので見落としてしまいそうでしたが、冷蔵庫の中には文房具が陳列されていたんです!

笠利ヒガシ商店、電源の入っていない冷蔵庫には文房具が
鉛筆やペン、ノートなどなど、筆記用具が冷蔵庫に!!
これはよく見ないと気づかないですよね。

お会計はそろばんで!

お会計は昔ながらのそろばんで
商品のラインナップもさることながら、昭和にタイムスリップしたように感じてしまう一因は、お会計の机にある年季の入ったそろばんかもしれません。

「消費税も入れて計算できる電卓もあるのよ!」

と引き出しをあけて探してくれたのですがなかなか見つからず。つまり、いつもはそろばんを使っている、もしくは暗算ということなんでしょう。

笠利ヒガシ商店、お酒や野菜も売っている
また、店員さんにあれこれ聞いていて発覚したのは“佐仁集落には無人販売がない”という事実。

佐仁集落の人は野菜を作って親戚や親しい人にあげるので、あまり野菜の売買をしないんだとか。このあたりには移動販売も来ないそうです。

同じ笠利町でも、私の住む集落にはたくさんの無人販売があり移動販売も回ってくるので、こんなに違うんだなぁと初めて知りました。

「ある」と書かれた札の秘密

笠利ヒガシ商店、入り口の札
お店の外に目立っている「ある」という謎の札。

これは郵便屋さんへ向けたものだそうです。
ヒガシ商店ではゆうぱっくを扱っているので、その荷物のある/なしを表示するために掲げているんですね。みんな不思議がって、よく聞かれるのよと教えてくれました。

笠利ヒガシ商店、レトロな品揃え
懐かしのあのお菓子、奄美の中でも珍しい食べ物などなど、お宝さがし感覚で買い物できる味わい深い「ヒガシ商店」。まだまだ、秘密が眠っていそうな予感です。

夕暮れの中をふらふらお散歩したら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

また佐仁に行ったときには、ぜひ元気なおばに挨拶したいと思います!

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この記事を書いたフォトライター

泥ぬ マコ

泥ぬ マコ

ライター/編集。出版社・WEB制作会社を経て現在はフリーランス。ふらふらと辿りついた奄美大島で子育て中。PR記事や取材記事のほか、キャッチコピーや企画・構成・編集も請け負っています。泥ろぐ(https://doronumako.com)にも奄美情報ありますよー!

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