【奄美市住用町】奄美大島へUターンした店主と猫の醸し出す空気に癒される「ハナハナ茶屋」
島食
2017/03/26
山田 久美子
奄美大島には、嬉しいとき、おめでたいとき、人が集まれば「ハナハナ」といって乾杯し、グラスを合わせる習慣がある。
そんな、聞くだけで楽しくなってしまう名前を冠したお店「ハナハナ茶屋」は、2016年3月に奄美市住用町西仲間にオープンした。カフェでもレストランでもない、「茶屋」というのがぴったりなお店だ。
店主の人柄があふれる優しい「ごはん」がいただける
テーブル席とカウンター席あわせて15席ほどのお店は、とってもアットホームで、なんだか実家に帰ってきたような心地よさ。思わず時間を忘れて長居してしまうのか、オープンとともに来店し、ランチタイム終了とともに帰って行かれるお客さまも多いのだとか。
メニューは肉・鶏・魚の3種類。ごはんとみそ汁、小鉢が3つの定食で750円。メニューの内容は日によって様々。この日の鶏は「から揚げ」。魚は「さわら」が終わってしまったので「鮭」だった。
できるだけ地のものを使うように心がけているという優しい味つけのメニューは、毎日でも食べたくなるような、ほっとする味。夜も750円でお任せ料理がいただける。
大阪からUターン。第二の人生を楽しむ一人と一匹に癒される
店主はこの集落出身の女性、恵茂代さん。2016年2月に大阪から地元住用町西仲間へUターン。
「60歳からは第二の人生を過ごそうと思って、島に帰ってこようと思っていたの」とおっしゃる恵さんは、これまで20年以上も大阪で島料理のお店を切り盛りしていたという。
娘さん夫婦が大阪のお店を引き継ぐ決心をしてくれたことで、お店や常連さんの心配をすることなく島へUターンすることができた。
こちらは店主と一緒に大阪からIターンしてきた看板猫「アッシュ」。大阪のお店がオープンしたころからの相棒だというから、御年20歳以上のおばあちゃん猫。ふらりとお店に出てきては店内の様子を伺い、静かに住家に帰っていく。人懐こい性格で、猫好きの人を感知して自ら寄ってきてくれるのだという。彼女も島での第二の人生をすっかりと楽しんでいる様子。
店主と猫の醸し出す空気感が何とも言えず心地よい。
地元に愛されるということ
「車の運転ができないので仕入れはお友達が連れて行ってくれるし、忙しいときはお店も手伝ってくれるの」と笑う店主。
大阪のお店の常連さんが、お客様を紹介してくれたり、遊びに来てくれることもあるのだという。
気負いのない店主の人柄が居心地の良い空間をつくり、愛情たっぷりの料理がお客様の心をつかんでいるのではないかと思う。
この記事を書いたフォトライター
山田 久美子
ライター/フリーランスウェディングプランナー。名古屋出身。2012年に初めて訪れた奄美に惹かれ移住。特別な一日を奄美の景色とともに思い出に残してほしいという思いで、島を会場にしたオーダーメイドウエディングのプロデュースを行っています。