鹿児島・奄美に古くから伝わる遊び~朝仁ナンコ大会~
島コト
2017/03/28
井田陽平
うららかな正月、老若男女が楽しむは伝統の遊び「ナンコ」
奄美で昔から親しまれている遊び、「ナンコ」をご紹介します。
「ナンコ」は、鹿児島に古くから伝わる酒席での遊びで、安土桃山時代に島津義弘が朝鮮の役から帰国した際、はじめたのが最初と伝えられています。
まず、ナンコ盤を前に2人で向き合い、角材3本ずつをお互いが持ち合います。その後、両手を後ろに回してかくし、何本かを見えないように握って盤の上に突き出します。そして、相手が何本もっているか、その本数を当てる遊びです。
掛け合いが楽しい!こどもナンコ大会に参加
単純なようで奥が深い、ナンコ遊び。
見るよりも聞くよりも参加して遊んでみるのが一番!ちょうど私の住む朝仁(あさに)集落で「こどもナンコ大会」があるということで、子供たちと一緒に参加してきました。
集落の行事ごとと言えばこの場所、という朝仁児童館に、馴染みの顔のこどもたちが集まっています。
集落のご婦人方が「ぜんざい」を振る舞ってくださいました。
勝負の前に腹ごしらえをして、満足気な顔の我が次男坊。
集落の先輩方に遊び方を教わります。
誰でも楽しめる単純なルールのゲームですので、年齢や性別に関係なく対戦を楽しむことが出来ます。
小学校も高学年くらいになると、勝負にもだいぶ熱がこもります。
小さな子どもたちも、お父さんと楽しんでいますね。
大人同士の勝負の時は、負けた方が盆の焼酎を飲むというのがルールで、負けが込むとへべれけになってさらに負けが込む、という過酷(?)な勝負が待っています。
今回は子どもの対戦なので、もちろんお酒抜きの爽やかな勝負でした。
勝ち抜きトーナメントの開始!!
さあ、ルールを覚えて練習が終わった後は、勝ち抜きトーナメントの開始です。
小さい子と大きい子にざっくりグループを分けて、いざ勝負。初心者でも簡単に楽しめるところが、何よりいいところですね。
入賞者には、お年玉のプレゼントが!!
伝統の「ナンコ」遊び、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
奄美の中でも、集落によって若干違うルールが採用されていたりするそうなので、それを知るのも楽しいかも知れません。
ちなみに、気になるナンコ道具は、Iターン者の私にとっては馴染みのない道具。
どこで売っているのかと聞いてみたところ、
「ワン(私)の親父が大工だからや~」
とのことでした。
どこかで売っているのかも知れませんが、少なくとも朝仁集落で使っている道具は、手作りの作品のようです。なんとも言えない温もりが感じられるのは、そのためだったのですね。
我が家ではこれ以来、鉛筆を使っての「ナンコ」遊びがブームになりました。それで十分楽しめるのですが、近頃はあの「ナンコ道具セット」が欲しいなあ、と思っている次第です。
この記事を書いたフォトライター

井田陽平
1974年生まれ。O型の乙女座。性格はポジティブ、根拠の無い自信は誰にも負けないと自負している。2012年(平成24年)に千葉県から奄美大島へiターン。妻とふたりで、子育てと島暮らしを満喫中。仕事は必要最低限、出来る限り家族や大切な人たちとの時間を多く過ごすというライフスタイルを基本に、子どもと戯れながら日々を過ごす。最近の悩みは、運動不足と高血圧。