相撲の島、奄美大島が沸く!111回目を迎えた、年に一度の笠利町奉納相撲「招魂祭」
島コト
2017/03/25
山田 久美子
空港から車で5分、奄美市笠利町にある太陽が丘総合運動公園。
毎年10月の第3日曜日には奄美市笠利町に住む多くの人がここに集い、「奄美市笠利町招魂祭相撲大会」が開催されます。
「招魂祭」と呼ばれ親しまれているこの相撲大会。日清・日露、大東亜戦争戦没者慰霊に伴う「奉納相撲」としてスタートしました。
太平洋戦争中も途絶えることなく開催され、2016年でなんと111回目を迎える伝統行事となっています。
笠利町内が沸く一大イベント「招魂祭」。笠利町内に居住する、または通勤・通学する(通学していた)など笠利町に縁のある人たちのみが出場できる相撲大会。
集落を背負って出場する精鋭たち5名1チームの団体選と、技を磨いてきた個人たちの熱い闘いが繰り広げられます。
この日のために練習を重ね、集落の威厳、個人のプライドをかけて闘う選手たちの目は、真剣そのもの。
選手の中には70歳を越えた方も。いくつになっても現役として選手を続ける選手の姿に脱帽します。
行司の掛け声、選手のぶつかり合う音、試合の行方を一瞬たりとも見逃すまいと息を呑む観衆たち、なんとも言い表しがたい緊張感に包まれる土俵。
独特な雰囲気を感じながら「招魂祭」をみれば、いつの間にかその魅力に引き込まれているはず。
「招魂祭」は大人の取り組みだけではありません。6歳未満の未就学児から中学生まで、各学年の団体戦と個人戦も行われます。
子どもたちの成長を確かめる両親の前で、子どもたちも一生懸命に闘います。
ケガがないようにと祈り見守る選手の家族たち、声を枯らし応援する地域の方々。たくさんの方々の力で続いてきたこの行事。
「お父さんは強かった」「おじいちゃんも選手だった」、そんな観衆の声を耳にしながら土俵に上がる選手たちの姿を目の前に、これから先も代々この伝統行事が受け継がれていくことを願わずにはいられません。
夏の暑さが和らぎ始める10月の奄美大島。シマッチュの心を熱くする「招魂祭」を観に来てください。
相撲に詳しくない人でもシマッチュと一緒になって楽しめること間違いなし!です。
この記事を書いたフォトライター
山田 久美子
ライター/フリーランスウェディングプランナー。名古屋出身。2012年に初めて訪れた奄美に惹かれ移住。特別な一日を奄美の景色とともに思い出に残してほしいという思いで、島を会場にしたオーダーメイドウエディングのプロデュースを行っています。