毎日の暮らしに島を感じる小物を 大島紬とレザーのコラボレーション「紬 レザー かすり」
島モノ
2016/06/29
gooh
奄美大島を代表する特産品の大島紬と皮革を組み合わせた作品が特徴の「紬 レザー かすり」。
お店には、「若い人が普段の生活で使える、大島紬の小物を作りたい」という店主の川畑裕徳(かわばた・ひろのり)さんの気持ちが込められた作品が並んでいます。
川畑さんは島生まれ、島育ち。
高校卒業後、東京の自動車会社に就職。
働いて貯めたお金で憧れのハーレーを手に入れてからというもの、休日には愛車でツーリングに出かけるようになりました。
「もっと旅をして、色んな人や自然に出会いたい」と、23歳で退職。
冬は解体屋で働き、それ以外の季節は愛車にキャンプ道具を積み込み、日本各地を回る生活を続けていたそうです。
その後、海外に興味を持ち、27歳のときにオーストラリアへ。
そこで目にしたのが、先住民族の楽器ディジュリドゥと現代楽器のコラボレーション。
「伝統的なものと現代のものを合わせる」ことに強く惹かれたそうです。
以前から趣味で皮革細工をしていた川畑さん。
幼い頃から実家の呉服店で大島紬を目にしていたこともあり、「大島紬と皮革を組み合わせたら面白いはず」と、オーストラリア滞在中にデッサンを描きはじめました。
28歳で島に戻り作品を作り始め、実家の呉服店の隣に「紬 レザー かすり」をオープン。
「大島紬とレザーのコラボレーション」という新しい作品は徐々に話題を呼び、お店を訪れる人が増えてきたそうです。
川畑さんの作品は、財布や名刺入れ、キーホルダーなどの小物がメイン。
毎日使っても長く愛用できるように、質の良い国産の牛革を使い、1針1針丁寧に手縫いで仕上げています。
ちなみに、使い込んで紬や革が擦れてきたものは修理も可能。
丁寧に糸をほどき、紬や糸を替え、革を磨いて仕上げれば、見違えるようにキレイになるそうです。
お客さんの約8割は島の人で、家族や友人へのプレゼント用に購入される方が多いそう。
「最近では、島の若い人が“紬、かっこいい”と言ってくれるようになり嬉しい」と川畑さん。
まもなく卒業して島を離れる高校生が「島のものを持っていたい」と買ってくれることもあるそうです。
モヒカン、口ひげがトレードマークの川畑さんですが、自他ともに認める、見た目よりとっても優しい人。
気軽にお店を訪ねてみてください。
島に暮らしていても、いなくても。
毎日の暮らしで、島を感じることができる。そんな小物に出会えるはず。
この記事を書いたフォトライター
gooh
事務職/ライター/元ダイビングインストラクター。はじめて島の海で泳いだ日から島の海の美しさのとりこになり、単身で移住してしまった奄美3世。趣味はスクーバダイビングと写真撮影、そして旅。休みの日は、カメラ片手に海に入ったり、ドライブをしたり、美味しいものを食べ歩いたり。まだまだ島を探検中の新米ライター。大阪府出身。