淡水と海水が交わる「水の道」を見られる宇検村の浜・ケタグラ
島景
2016/07/28
福永千景
宇検村へ入り、宇検村湯湾集落から宇検集落方面へとやけうち湾沿いに車を走らせること、15分。 4つ目の集落・生勝(いけがち)集落へ到着します。
生勝集落に入る手前にはトンネルがあり、さらに手前の道路脇に駐車場やベンチのある場所があります。
静けさを導くような夕陽
夕暮れ時、この場所から見る景色。
その夕陽の沈みゆく美しさは、地元の人でさえ、思わず車を停めてしまう程です。
橙色に輝いていたかと思うと、海と山のすべてを次第に紫や藍の入り混じった静けさが包む様子は、一日の終わりに身体がほぐされるような気分にしてくれるでしょう。
浜辺に腰を降ろし夕陽を眺めたい方や明るい時間に浜辺を楽しみたい方には、 この場所のすぐ近くにある「ケタグラ」という浜もお勧めです。
植物の香りと可愛い生き物たちとの出会い
駐車場から道路側を見て、右方向に未舗装の下る道があります。その道が海へ繋がっていて徒歩で2、3分の距離にあるのがケタグラ浜です。
湾内ということもあり、水の透明度などへの感動は他の浜に譲るとしても、穴場的な魅力をもつケタグラ浜。 浜へ下る道は、山裾ということもあり緑を間近に感じることができます。
ほのかに漂う花の香りと共に、野生の植物が楽しませてくれるでしょう。
タイミングが良ければ、オカヤドカリの群れに遭遇することもあります。
山手の方から、または山手へ向かってカサカサと歩を進める姿は飽きることなく眺めてしまうほどの可愛さ。
淡水と海水の交わる水の道
砂地へ降り、少し右手へ進むと山から流れる淡水と波が寄せる海水が交わる水の道に気付くでしょう。
砂が小さな土手となり、その間を流れる水に思わず手をつけてみたくなるかも。
砂浜の左右には岩場があり、釣り人の姿も見られます。
どのような魚が釣れるのか、釣り糸を垂らしてみてはいかがでしょう。
この画像は違う場所で釣った「オジサン」という魚。ケタグラ浜でも釣れますよ!
ケタグラ浜は、シャワーやトイレの施設がありません。
最寄りの公共トイレが、車で15分程の湯湾集落にある「ゆどぅんじゃー」となります。
どちらかと言うと、海水浴よりは海辺のお散歩としてお勧めの場所です。
トンネル近くには、滝のように水が流れる箇所があり、蛍の出る時期には暗闇の中にゆらりゆらりと微かで淡い光りと出会うこともあります。 のんびりとした何気ない景色に溶け込む、そんな旅も時には良いかも。
この記事を書いたフォトライター
福永千景
セラピスト/エッセイスト。奄美大島出身。奄美の地元紙、南海日々新聞にて2013年から紬随筆を執筆中。島内外の人と人を繋げるイベント等を企画・運営している。奄美黒糖焼酎語り部として、エフエムうけんにて黒糖焼酎を宣伝するための番組を企画、パーソナリティーを務める(2015.3まで)