【奄美の七不思議その2】海賊の宝?!奄美市住用町に眠る”黄金”を探せ!
島コト
2018/01/31
田中 良洋
奄美の不思議でたまらないことを探求する連載。
全7回でお届けします。
【奄美の七不思議その1】宇検村に現れる妖怪”ケンムン”の謎を追え!!!
【奄美の七不思議その2】海賊の宝?!奄美市住用町に眠る”黄金”を探せ!
【奄美の七不思議その3】奄美大島瀬戸内町に漂着したワニの謎に迫る!
おはようございます。よーすけです。
ぼくは今、奄美市住用町のバンガローに来ています。
このバンガローは目の前には穏やかな海が広がっていますし、バーベキューもできるので家族や友達で泊まるには最高です。
本当はぼくも友達と泊まる予定だったのですが、なぜかみんなドタキャンになってしまい一人で泊まっています。
このまま帰ってしまってもいいのですが、もったいない気がするので何か面白いことがないか、住用町を探検してみたいと思います。
「すみませーん。」
「はーい。」
出て来てくれたのはバンガローの管理人も勤めるNPO法人すみようヤムラランドの古薗孝太さん。
古薗さんに住用町のことを聞いてみることにしました。
「住用町になにか面白いものありませんか?」
「たくさんありますよ。マングローブカヌーもできるし、川でタナガ獲りもできます。夜はアマミノクロウサギが見れますし、相撲見学もオススメですよ!」
「マングローブに相撲か・・・ もっと面白いことないの?超常現象みたいなこととかさ。」
「超常現象ですか・・・ あ!そういえば住用には海賊の宝が眠っているというウワサがあります。」
「海賊の宝?!?!すごいじゃん!どこにあるの?」
「ぼくも知らないんです。でも、住用町の市集落に住むしげにぃという人が知ってると聞いたことがあります。」
「いいじゃん!しげにぃのところまで案内してよ。」
「え、ぼく今仕事中なんですけど・・・」
半ば強引にこうたを仲間にし、しげにぃが住む住用町の市集落に向かうことになりました。
語り継がれる宝の伝説
「すみませーん。」
「しげにぃいますかー?」
「はーい。」
「住用に海賊の宝が眠っていると聞いたんですけど、そんな話聞いたことありますか?」
「あぁ、マッコヒジャのことだね。」
「マッコヒジャ?」
「マッコは”向かいの”、ヒジャは”海岸”ということなんだ。住用の山間集落から見える向かいの海岸に海賊の宝が眠ると言われているんだよ。」
「山間集落の向かいの海岸か・・・。宝って本当にあるんですか?」
「本当にあるかどうかは分からないけど、昭和40年にある人が宝を探していたんだよ。島を出て広島で警察官をやってた人でね。宝の地図を見つけたからと島に戻ってきて、ずっと探しに行ってたらしいよ。宝探しを手伝っていた人から直接聞いたんだ。」
「宝の地図があったんですね!!!」
「警察官をやっていたほど真面目な人だったからね。その地図はかなり信用できるものだったんじゃないかと言われているよ。山間集落から向かいの山を見ると、ちょうど平になっているところがあるんだ。その辺りを掘っていたんじゃないかと俺は考えているね。」
「面白い!行ってみます!!!」
「そういえば最近、住用で新たな黄金を見つけたんだけど、見に行ってみないかい?」
「新たな黄金??宝じゃなくて?」
住用に眠る新たな黄金とは!?
「ここだよ。」
「どこ??」
「コケしかないけど?」
「葉から落ちる雫を下から見てごらん。」
「あ!雫が黄金色してる!!!」
「だろ。雫に陽の光が当たってなぜかこういう色になるんだ。ここは車で走ってても絶対見つけられないからね。俺が“黄金のしずく”と名付けて看板を立てたんだ。」
「確かに黄金でしたね。ここは島の人もまだあまり知らないかも!じゃあ、次は本物の黄金を探しに行ってみます!」
「まずは山間集落にある石抱きガジュマルからマッコヒジャを見て場所を確認するといいよ!」
「ありがっさまりょーた!」
〜 CM 〜
宝探しに行く前に腹ごしらえ!奄美市住用町でお昼ご飯を食べるなら、島の素材にこだわったお店つむぎ庵がオススメ!
看板メニューのそばは、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールがたっぷり入っていて、むくみに効く長命草をふんだんに使った長命草そばです。
素材は島で作られたものを選び抜いており、オクラ、シマ桑、ハンダマ、紫芋、パパイヤ、卵、お米が全て奄美大島産!野菜がたっぷり入ったかき揚げも美味しいです。
今後も島の素材を使ったメニューが増えるようなので楽しみですね!お昼ご飯は住用町のつむぎ庵へ!!
ドローンでマッコヒジャを調査
「ここがしげにぃが言ってた石抱きガジュマルか。」
「石を抱くように生えてるから石抱きガジュマルなんですね。この対岸にあるのがマッコヒジャですよね。」
「そう、まずはここから現場を調査してみよう。」
「どうやって調査するんですか?」
「こいつを使うんだよ。」
「おぉ!!!ドローン!!!」
「しげにぃが『山が平らになっているところがある。』と言ってただろ。まずはそこをドローンで見てみよう。」
「確かに平らになってますね。」
「でも遠くて掘り起こされた形跡は分からないな。もっと上から見てみよう。」
「普通の森ですね・・・」
「・・・」
「もっと近くに行ってみよう!直接見てみないと分からない!!!」
伝説の宝を掘り起こせ!
ガガガッ!!!
「本当にこの道で合ってるの?」
「もう少し抜ければ着くはずです。」
車一台通るのがやっとの山道を乗り越えて、ぼくらはマッコヒジャにたどり着いた。
「お宝は目の前だ。何としても掘り起こすぞ!」
「はい!!よーすけ兄!」
「あの上がさっきドローンで確認したところだな。」
「そうですね、登りますか?」
「登れるような道はないな・・・」
「どうします?」
「ここまで来て手ぶらで帰れるか! よし、こうた!とにかく掘るぞ!!!」
「はい!!よーすけ兄!」
ザッザッ
ザッザッザッ
・
・・
5分後・・・
「ハァハァ。こうた、伝説ってのはさ、伝説のままにしておく方がロマンがあると思うんだ。」
「ゼェゼェ。ですね、よーすけ兄。自分もそう思います・・・」
こうして体力不足により、よーすけとこうたの奄美市住用町での宝探しは幕を閉じた。
残念ながら本物の黄金を見つけることはできなかったが、宝がないと証明できたものはまだいない。
探せ!この世のすべてがそこにある。
奄美大島に眠るひとつなぎの大秘宝を見つけるのは、あなたかもしれない。
※住用の宝伝説について詳しく知りたい人は、NPO法人すみようヤムラランドへお問い合わせください。
―奄美の七不思議を調査しています―
【奄美の七不思議その1】宇検村に現れる妖怪”ケンムン”の謎を追え!!!
この記事を書いたフォトライター

田中 良洋
映像エディター/予備校スタッフ 兵庫県出身。奄美群島の文化に魅かれ、2017年1 月に奄美大島に移住。島暮らしや島の文化を伝えるために自身のメディア、離島ぐらし(https://rito-life.com/)を運営する。