【ドローン×奄美|vol.1】奄美大島でドローンを飛ばしたい人へ〜日本のドローン法律〜
島景
2018/10/25
田中 良洋
「空の産業革命」と言われているドローン。
近年は、性能の良いドローンがお手頃価格で手に入るようになってきたので、一般人でも所持している人が増えました。
奄美大島でもたまにドローンを持ってきて、撮影している観光客の姿が見られるようになりました。
空から映す奄美大島はまた違った魅力があります。青い海、緑溢れる山、昔ながらの風景を残した集落。どこを映しても美しく、ドローンのバッテリーを十分に持ってこなかったことを後悔するほどです。
私たちに新しい世界を見せてくれるドローンですが、事故も増えています。
特に観光地では、許可なく飛行したことでトラブルになっています。
この記事では、改めてドローン飛行のルール、奄美大島で飛行するときに気をつけて欲しいこと、おすすめの飛行場所についてお伝えしていきます。
■ドローン×奄美シリーズ(全6回)■
【ドローン×奄美|vol.2】奄美大島でドローンを飛ばしたい人へ〜奄美大島で注意するところ〜
【ドローン×奄美|vol.3】奄美大島でドローンを飛ばしたい人へ〜奄美大島のおすすめスポット(笠利・龍郷エリア)〜
【ドローン×奄美|vol.4】奄美大島でドローンを飛ばしたい人へ〜奄美大島のおすすめスポット(名瀬・住用・大和村エリア)〜
日本のドローン飛行のルールについて
「そもそもドローンを飛ばしていい場所はどこなの?」
「高く飛ばしたら飛行機にぶつかることはないの?」
ドローンを飛ばしている人からすれば当たり前の話かもしれませんが、日頃ドローンに触れていない人は知らないことです。ドローンが飛んでいるところを見ただけで通報された、なんて話も聞きますので、まずは日本の法律がどうなっているかをご説明します。
ドローン飛行のルールは国土交通省により決められています。ドローンの飛行が禁止されているのは大きく分けて次の3つの場所です。
・人口集中地区の上空
・空港等の周辺(進入表面等)の上空の空域
・150m以上の高さの空域
どこが人口集中地区か分からないという人もいると思います。その場合は国土地理院のサイトで確認してください。
また、飛行させる場所を問わず、守らなければいけないルールは以下の通りです。
・日中(日出から日没まで)に飛行させること
・目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
・人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
・祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
・爆発物など危険物を輸送しないこと
・無人航空機から物を投下しないこと
こういったルールに従わない場合は、あらかじめ地方航空局長の承認を得る必要があります。
<承認が必要となる飛行の方法>
たとえば、奄美大島に旅行に来たとき偶然お祭りや伝統行事があったとします。その様子をドローンで空撮したいと思っても、催しの上空で飛行させることになるのでできません。集落で飛ばすときも、建物から30mは離して飛行させることが必要です。
日本でドローンを飛行させるには、このようなルールを守らなければならないことをまず覚えておいてください。なお、各自治体ごとに独自のルールを定めている場合もあります。たとえば、東京や大阪では公園内での飛行も禁止されています。
奄美大島でのルールは改めてご説明しますが、そのような独自のルールがあることは覚えておいてください。
禁止されている場所でドローンを飛行させるには
国土交通省で定められたルールは必ず守らなければいけません。では、たとえば夜間に飛ばしたかったり、イベント上空で飛ばしたかったりした時には、どうやっても飛ばすことはできないのでしょうか。
そんなことはありません。地方航空局長の許可を得ればドローンを飛ばすことが可能になります。ただし、許可を得るためには必要書類をまとめ、飛行予定日の 10 開庁日前までに提出する必要があります。
最近ではドローンの飛行申請が数多くあるようで、申請をしても数ヶ月許可が下りないなんてこともあります。飛行許可を得なければならない場合は、早めに申請することをお勧めします。
申請時に必要な書類は以下の10点です。
①無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書
②無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書
③無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
④飛行の経路の地図
⑤無人航空機及び操縦装置の仕様が分かる設計図又は多方面の写真
⑥無人航空機の運用限界及び無人航空機を飛行させる方法が記載された取扱説明書等の該当部分の写し
⑦無人航空機の追加基準への適合性
⑧無人航空機を飛行させる者一覧
⑨申請事項に応じた飛行させる者の追加基準への適合性を示した資料
⑩飛行マニュアル
機体によっては全ての資料を必要としない場合もありますが、かなりの数の資料が必要となりますので、早めの準備をするか、行政書士に相談して書類を揃えるようにしましょう。
申請については、国土交通省のホームページも参考にしてください。
心がけて欲しいこと
いくら性能が良くなったとしても、飛ぶものは落ちます。
確かに最近のドローン技術の進歩は著しく、コントローラーを触らなければ自動でホバリングしているほど安定しています。しかし、それでも落ちる可能性はあるのです。そのことは常に心がけていてください。
もし事故を起こしてしまってから「知らなかった。」では済まされません。決められたルールをしっかり把握し、安全にドローンを飛ばすようにしてください。
万が一の時のために、保険に入っておくことをお勧めします。
また、法律は随時変わりますので、ここに書いてあることは必ずしも正しいとは限りません。事前にご自分で国土交通省のホームページを参考にして、ルールを確認してから飛ばすようにしましょう!
次回からは実際に奄美大島でドローンを飛ばすときのおすすめスポットや撮影ポイントを紹介していきます。お楽しみに。
この記事を書いたフォトライター
田中 良洋
映像エディター/予備校スタッフ 兵庫県出身。奄美群島の文化に魅かれ、2017年1 月に奄美大島に移住。島暮らしや島の文化を伝えるために自身のメディア、離島ぐらし(https://rito-life.com/)を運営する。