手作りのおもてなしが沢山詰まった海辺の宿「なべき屋」【龍郷町安木屋場】
島宿
2016/11/20
トヨヤマ コトネ
龍郷町安木屋場集落の県道81号沿いに、集落唯一の民宿「なべき屋」はある。夏になると目の前の海岸にはウミガメが卵を産んだり孵化(ふか)する姿を見ることができる。民宿の裏の山にはソテツが群生しており自然豊かで静かな立地。
一見シャイに見えるが話すととても優しく暖かい人柄のご主人と、関西弁の気さくで気遣いがとても心地の良い奥さんの夫婦で営む民宿だ。
ただいま〜と思わずいってしまいそう!アットホームな民宿
「ただいまー!」といいたくなるような玄関から中へおじゃまするとまずは食堂に案内された。食堂の扉を開くとそこにはオーシャンビューが。
カウンターとボックス席が3席。外にはベランダがありそこにもテーブルとイスが設置されている。ここでは宿泊客のみが味わえる、店主の腕によりをかけた料理が振る舞われる。
なべき屋を訪れる7割の方が常連客。毎年訪れる方も多い。店主の料理が食べたいがために宿泊される方もいるのだとか。
最高の夕日や月を眺められる、オーシャンビューの客室
次は客室を案内してもらう。ここもまた、オーシャンビューとなっている。
東シナ海を独り占めできるすごく贅沢な空間。
安木屋場は夕陽の名スポット。
この窓から見える、海に落ちる夕陽は最高だろうな~と思っていると、「月夜もいいよ~」と店主が言う。確かに。安木屋場海岸の広々とした海から見る月は私も以前から大好きで、深夜に車を走らせ何度も見に行った。
そんな月を眺めながら眠りにつくことが出来たらどんなに幸せだろう。。。
部屋には2つのベッドと、テーブル。それに素敵な器の洗面所がある。
wi-fiも完備され、とても居心地が良いのは間違いなしだ。
異国気分を味わえる手作りのかわいいコテージ
同じ敷地内にあるコテージに案内してもらった。ステンドグラスのかわいい扉を開けると、店主のセンスが光る手作りの客室が。色とりどりのタイルが敷き詰められ、まるで外国に来たかのようなつくりの内装。
ここはユニットバス。ここにもステンドグラスの小窓が。とても女子の心をくすぐる空間。レトロなオーバーヘッドシャワーがとてもおしゃれだ。
勝手口もあり、目の前の海で泳いだ後そのままシャワーを浴びることができる。
部屋の中は、キッチン、洗濯機も設置されていて、長期滞在者に嬉しい作りとなっている。
さらに、部屋のなかに車椅子があることに気がついた。よく見ると部屋は段差の少ないつくり。足の不自由な方でも泊まれるようにと、バリアフリーになっているのだ。
細やかな部分まで配慮が行き届いた素敵なコテージだ。
沢山のおもてなしがつまった宿
宿の様々な部分に散りばめられた、店主のこだわりと沢山の心のこもったおもてなしを見て、奄美のシマッチュの心根を感じた。旅行者ではなく島に住んでいても、泊まりたいと思えるようなとても魅力的な民宿。リピーターが多いのもわかる。またここに来たいと呼び寄せる力のある民宿なのだ。
この記事を書いたフォトライター
トヨヤマ コトネ
フォトグラファー/しーま編集部。 奄美2世。大阪のフォトスタジオで勤務後、 幼少期から何度も訪れていた思いいれのあるシマに2014年移住。写真や言葉にするのが難しい奄美の美しさをどう表現するか日々模索中。